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五十鈴メールマガジン〔No.628〕シェイクスピアの人間学
配信日時:2015/09/17 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015.09.17発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.628≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆
   
          先週、関東・東北豪雨による

         土砂災害・河川の堤防の決壊により、

       広域にわたって大勢の方々が被災されました。

          亡くなられた方々のご冥福と

         一日も早い復旧を祈念いたします。

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☆No.628 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_シェイクスピアの人間学
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_宅配業界における市場の変遷(黒田常務)
┃
┃【NS九州スチールサービスの現場から】
┃ ■_雑談力を高める(岩崎社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

      ――― シェイクスピアの人間学 ―――
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鈴木貴士です。

私の愛読書に「致知」という、「人間学を学ぶ月刊誌」があります。そ
の今月号に、東京大学名誉教授の小田島雄志さんのインタビュー記事で
「人生には幸福もあれば不幸もある『シェイクスピアの人間学』」とい
うものがありました。

私もシェイクスピアはいろいろ読みましたが、「ヴェニスの商人」くら
いしかよくわからないのですが、この記事を読んで、非常に彼の作品の
本質のようなものがわかったと同時に、人間というものが改めて少し理
解できたように思います。

小田島先生は彼の人間観を「人生には幸福もあれば不幸もある」「人間
には表(見せかけ)もあれば、裏(真実)もある」と明快に述べられて
います。そして人生はいろいろあっても最後は「人間っていいものだ」
「人間は愛すべき存在だ」という結論に持っていくとも言われています。

人間のさまざまな側面を理解した上で、それを認める。そういう人生観
がシェイクスピアの本質のようです。「シェイクスピアは一万人の心を
持つ劇作家」と彼の後輩が言ったそうですが、それほど彼は好奇心が旺
盛だったようです。

そして「一歩引いてみる」という視点で物事の全体が見えるということ
でした。そういうことで、片方ではなく両方の人間が見えてくる。被害
者と加害者、両者を「当事者の目」で見る。すなわち彼は、物事を18
0度ではなく360度で見て、全体を理解する達人だったようです。

作品でいえば「リア王」には「人間、衣装を剥ぎ取れば、おまえのよう
に、あわれな裸の2本足の動物にすぎぬ」という台詞がありますが、リ
ア王は王座から退いてもなお王の権威を身につけているつもりでいまし
たが、娘に裏切られて着の身着のまま嵐の荒野を彷徨ううちに、自分は
何もかもなくしてしまったことに気づきます。

一方、王位を退いたリア王が長女に出て行けと言わんばかりの扱いを受
けた時、娘の裏切りに激怒しながら、「わしはリアではない」と叫んで
「誰でもいい、教えてくれ。わしは何者だ?」と問いかける場面で「リ
アの影法師だい」と道化が答える場面があります。

この影法師が何かと考えていくと、国王という衣装を剥ぎ取った後のあ
われな裸の2本足の動物とも捉えることもでき、影法師がリアの実体と
も考えられます。

この視点がシェイクスピアの一種の二重性といえるところで、人間とい
うのはこのように矛盾に満ちた存在だと思わせるのです。

他の作品でも「肯定と否定の同時体験」という、矛盾も人間の偽らざる
真実を感じさせるものであり、人間は単純には割り切れない。人間のや
ることをすべて善悪で割り切ろうとしたら、誤魔化されてしまう。人間
は所詮矛盾している存在だと思って物事を見ていけば、矛盾はなくなる
のだと述べられています。

人間は良い部分もドロドロした嫌な部分もあって、それを黙って受け入
れて、同時に他人にもそういうところがあるのを認めて、最後はそれで
も「人間っていいな」と思うようにシェイクスピアは描いているのです。

昔、テレビで「七人の孫」という森繁久弥主演の番組がありました。彼
の歌う主題歌「人生讃歌」は「どこかでほほえむ 人もありゃ/どこか
で泣いてる 人もある」という歌いだしでしたが、ともかく人生いろい
ろあるけれど、「だけどだけど これだけはいえる/人生はいいものだ
 いいものだ」と最後は謳いあげます。

そういう観点で、難しく考えないで、シェイクスピアをまた読んでみよ
うと思いました。


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【執行役員が伝えたいこと】_黒田常務

     ――― 宅配業界における市場の変遷 ―――
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9月も中旬に入り、上期IOC活動のまとめの最終段階に入っているこ
ろだと思います。今回は新中期となって最初の発表会です。前中期との
違いを明確にして、今までの延長線でない活動をしっかりと発表できる
ようにお願いします。

五十鈴中央としても、今中期は戦略課題の一つに「マーケティングプロ
セスの新化」を掲げ、グローバル・バリューセンターに向け、今迄とは
違う新たなマーケティングプロセスをつくりあげていくことを目指して、
異業種などの協創先を拡大させ、価値を高め合うことのできるコミュニ
ティづくりやどこでも展開できるテクノロジー開発に取り組んでいて、
未知なる力、領域へと活動を広げています。

そんな活動とも関連するかもしれないと読んだ本の記事に、宅配業界に
関する内容が書いてありました。以前私もこのメルマガで書きましたが、
宅配業界はネット通販により市場規模は年々拡大しているそうです。

今現在、宅配便と呼ばれる荷物は年間36億個あり、その内6割がネッ
ト通販を軸とした企業発個人への荷物であり、これが市場を牽引してい
て、残り4割の企業発企業や個人発個人の旧来からの宅配便はこれから
の伸びはほとんど期待できないとのことです。

その宅配市場を牽引しているネット通販の荷物は、送料無料サービスな
どによりネット通販の市場を拡大しています。私も本1冊でも送料無料
で届けてくれるアマゾンを便利に使わせてもらっています。

しかしその送料無料の負荷が宅配業者へと跳ね返り、安い運賃でネット
通販の配送シェアを宅配業者間で奪い合う価格競争の構図となり、運賃
単価の下落をまねき、運ぶ数量が増えても採算が悪化する「豊作貧乏」
と呼ばれる状態となり、運賃下落分を荷物増加による配送効率アップで
カバーしようとしても、不在率の上昇や過重労働などが障害となってい
るようです。

そういえば、その以前私の書いたメルマガのなかで、配送員が無愛想で
トラブルが多く、さまざまなサービスを行っても最後に運ぶ人間が問題
だと書いたのですが、内情を知ると送料無料を利用して、平気で不在再
送して文句を言ったことを少し反省しています。

そのレッドオーシャン化した宅配市場で、宅配各社は運賃単価の引き上
げに取り組んでおり、佐川急便のアマゾンからの撤退もその取り組みの
一つだと思います。また、先週代表がメルマガに書かれたヤマトホール
ディングスの事業展開も関係していると思います。

私たちも新たなマーケットへと領域を広げようとさまざまな取り組みを
していますが、価格競争に巻き込まれないプロセスをつくりあげていく
ことも、マーケティングプロセスの新化に繋がると思います。


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【NS九州スチールサービスの現場から】_岩崎社長

        ――― 雑談力を高める ―――
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今年は早くから猛暑になったり、台風が多かったり、荒れた天気が続き、
天候変化の激しい年に感じられます。途端に朝夕が涼しくなり、急に秋
から冬へと移っていくのではないでしょうか。

9月も半ばとなり、上半期も残り少なくなってきました。9月は上期実
績のまとめ、IOCの発表準備、下期予算見直し等々、普段の月と違っ
た忙しさのある月です。

幸いに上期の弊社を取り巻く外部環境は堅調で、年初計画を達成できそ
うです。しかし、今順調にいっているから良いというものでもなく、明
日から何が起きるかわかりません。下期を確実に進めていくためにも、
取り組んでおかなければならないことがあります。

それはどんな環境変化や不況にも負けない力強い組織を目指し、構築す
ることだと思います。我が社もなかなか組織力が高まりません。その一
環として朝礼を重視し、理念や方針の徹底を図っていますが、それだけ
では足りません。

こんなときこそ発想は常に明るく前向きに、行動は緻密に、掲げた目標
を必ずやり遂げるという強い意志を持ち、さらにはチャレンジ目標を設
定する意気込みを皆が持たなければいけないと思っています。

また、思いを共有するのにも相当な努力が必要です。アンテナを張り、
どんな情報もヒントにする感性を磨き、コミュニケーションを活性化さ
せてチャンスを逃さないよう考動していきたいと思っています。

そのためのコミュニケーションを高めるには会話が必要だと思いますし、
まずは雑談から始めていき、数を増やしていくことが大事だと考えます。
すなわち「雑談力」を高めることだと思います。

職場や取引先でうまく会話を引き出すということは、仕事をスムーズに
進める上で欠かせない行動です。それでは雑談する力を身に付け、話の
きっかけをつくり、好感度を上げるためにはどんな点に気をつけなけれ
ばいけないのでしょうか。

相手との距離を縮め、何気ない会話を交わし深いコミュニケーションの
きっかけにする。もちろん話が弾まないこともありますが、そんなとき
は自分のことを話すことが重要になります。

自分をさらけ出し、考えを正確に相手へ伝え、自然体で接し、何でも良
いから相手をほめ、気負わずに相手が気持ちよく話せる環境づくりを心
掛けることが会話を引き出す第一歩といえます。

相手の話には前向きな返答をすることも大切で、次の言葉が相手から出
てくるように相手の話に集中し、話し易い雰囲気で自然に希望を言って
もらえるようにすることです。

相手の答えからどんな考え方を持っているのかの糸口を掴み、ぼんやり
したイメージをさまざまな会話から引き出して形にしていく必要もあり
ます。

雑談からはじめ、会話を増やすことでコミュニケーション力が高まり、
ひいては組織力へ繋がっていくのではないでしょうか。

我が社を有意注意で見てみると元気度、一体感、個性、各部署さまざま
です。多様な個性を活かしつつ、全体のベクトルを揃え、これからもさ
らに全員参画で頑張ってまいります。また、油断せず、事故・怪我など
を発生させないよう気を緩めることなく、今後も継続させ、下期に向か
いたいと考えています。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.629〕は、2015年9月24日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

先週起きた関東・東北豪雨により、茨城・栃木・宮城県を中心に広域に
わたって大勢の方々が被災されましたことに、あらためてお見舞い申し
上げます。
今年は地球温暖化等の影響で台風発生件数が例年になく多いといわれて
いることもあり、今後の台風の発生に予断を許さない状況だと考えます。
今後起きる可能性が高いといわれている天災への備えと不断の心構えを
徹底していかなければならないと痛切に感じているところです。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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