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五十鈴メールマガジン〔No.629〕全員参画経営
配信日時:2015/09/24 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015.09.24発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.629≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆
   
      今週五十鈴グループはIOC成果発表会週間。

        今年度から中期経営計画が2年となり、

        できるだけ具体性を持った進捗報告が

           求められてきていますが、

        同時に目標に対する社員皆の意気込みが

           伝わることも大事ですね。

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☆No.629 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_全員参画経営
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_IOCウィーク(瀬戸執行役員)
┃
┃【ワーレックスの現場から】
┃ ■_物流とロジスティクスとIOC(三谷社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

         ――― 全員参画経営 ―――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆

鈴木貴士です。

先般、私の知り合いのある商社の方々が、五十鈴本社ショールームにお
越しになりました。もちろん、スタッフと私の打ち合わせもなく、私も
ショールームの説明の自信が無かったので、副社長に同席してもらい、
私の部屋でいろいろ雑談しながら、経営の概要について説明したのです
が、今日はどうなっているのか、副社長も知らないのです。

要するに、全部スタッフに任せているのですね。それが五十鈴の良いと
ころで、私も副社長もショールーム見学についての失敗を恐れていませ
ん。

「今日も失敗もあるかもしれません。一番考えられるのは、現場との中
継回線が切れてしまうとか、パソコンが固まってしまうとかあるかもし
れませんが、それはそれで、対応を学習していけばいいと思っています」
と言っていたら、本当に本番で小山サービスセンターの中継が途中で切
れてしまいました。

しかしアテンダントは少しも慌てず対応し、全く動揺をしたところを見
せませんでした。以前にもそういうことがあったのでしょうね、後で聞
いたら「結構動揺していますよ」と言っていましたが、こうなったらど
うすると準備してあるから対応ができるのですね。

それからお客さまの急な質問や要求に対応することができるのも、失敗
を恐れず、次の機会に活かせばいいという経営者的発想が浸透している
からだと思います。五十鈴は「全員参画経営」を実践しています。

経営理念を軸として束ね、進化する企業として社員一人ひとりが経営者
のように考え固定概念を打破し行動して、戦略推進のスピードを速め、
イノベーションの実現や現実的な人財育成、人間成長を目指しているの
です。

私が「ビジョナリーカンパニー」を実現するために意訳した、「気分よ
く働けて、業績がよく、自己成長できる会社」という概念をよく理解し、
それを「全員参画」で実践してくれようとしているのです。

「全員参加経営」という言葉がもてはやされている昨今、なぜ五十鈴は
「参加」ではなく「参画」なのでしょうか。五十鈴の「全員参画経営実
践ガイド」には「参加」を、その人の意志の有無を問わない言葉と解釈
する一方で、「参画」とは「会社を自分のことと同じように大切にする
こと」「自分の意志や意見をもって、その場に存在すること」という主
体性が伴うものとして解釈していると解説されています。

自分の意志で、能動的に仕事を進めるということですが、五十鈴が大事
にしているのは会社経営のハードの側面よりもソフトの側面です。すな
わち職場風土や組織文化、働く人々の欲求や感情といった内面的要素で
す。

いろいろな会社を視察しても、その会社の雰囲気やムード、勢い、一体
感というものはそれぞれ異なるものです。それには全社目標や全社運動、
イベントや共有する場の提供などが、体系的にマネジメントされている
かが重要なこととなります。

ともかくこの日のショールーム見学も、スタッフにしてみれば普通に終
了したのでしょうが、お客さまは刺激を受けて帰られたと思います。

シルバーウィークに入り、五十鈴はIOC週間になります。上述したよ
うな観点で、それぞれの拠点、サービスセンターで経営会議とIOC活
動成果発表会が行われていますが、「全員参画経営」がどのくらい実践
されているかのアウトプットにもなっています。

最終日のSL部門の発表会のときに「経営について」という基本的な概
念を「全員参画経営」の参考になるように、私の講演を予定しています。



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【執行役員が伝えたいこと】_瀬戸執行役員

        ――― IOCウィーク ―――
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秋の大型連休「シルバーウィーク」は、6年ぶりとなる秋の5連休とい
うことで、初日19日土曜日の交通機関は行楽地に向かう家族連れなど
で混雑した模様が報道されていました。

高崎SCから1時間ほどで行ける、昨年6月に世界遺産に登録された
「富岡製糸場と絹産業遺産群」も国内のみならず、世界中から観光客が
押し寄せるようになり、2014年に群馬県が試算した世界遺産による
経済効果は34億円だったそうですが、この連休でも多くの観光客が期
待できることでしょう。

そもそも、最初のシルバーウィークが生じたのは2009年で、次が今
回の15年、土・日に続いて21日(月)が「敬老の日」、22日(火)
が「国民の休日」、23日(水)が「秋分の日」という並びで5連休と
なりますが、その次のシルバーウィークが訪れるのは26年とだいぶ先
になるそうです。

五十鈴グループでは、ちょうどその週に新中期戦略の初年度IOC成果
発表会がありますので「IOCウィーク」となります。

未来を豊かなものにするためのIOCがどのように推進されているのか、
特に新中期で実現したい希望する姿に対する取り組みが具体論で展開さ
れていること、目標を実現するための組織的な活動スピードがしっかり
出せていることが、新中期の期間が3年から2年に変わったことで求め
られてきます。

この具体論と実践スピードは、新中期における自らの役割や価値を理解
して自分自身で自らを動機付けながら自律的に働きかけることや、行動
する社員やチーム同士が繋がりあうことで、より高めていくことができ
ると考えます。

日々の取り組みから生まれる実践的な知のなかから、新たな価値や価値
を持った概念を生み出して、それを具現化する具体論をさまざまなヒュ
ーマンリソース・ビジネスリソースの融合・開発でタイムリーに展開し
ていけると、ビジネスの可能性や成果領域も変わってくると思います。

そしてIOCを推進するチームのメンバー同士や、社内外で出会った人
たちとのお互いの知と知を結び付けて、ともに実践していく「場」を沢
山創り出せるとIOCの可能性がもっと広がっていくと思います。


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【ワーレックスの現場から】_三谷社長

     ――― 物流とロジスティクスとIOC ―――
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物流とは部内の効率化のことですが、初めて取り組んだのは20年前の
S社さまを取り込んだときのことです。こちらはI社さまの倉庫業で地
元の工場にタイヤなどの部品をデリバリーする会社で、その一貫として
コイルセンター業も行っていました。

私が営業していたころは、社名も違っていて地元の同業者でした。I社
の意向でこの部門を閉鎖し、神奈川県のコイルセンターに任せるからコ
ンペに参加しないか、とI社の知人から誘いがありました。

当時、5,000t/月の総加工量で1,000tがK社さま分で、残
りがI社向けで、さすがにS商事向けは自社で行うことになり、都合4,
500tの加工売上がコンペされ、大和五十鈴が取り込むことになりま
した。

K社分は富士五十鈴に紹介、大和での取り込みは3,500tで、あの
狭い工場で切り板もあるなかで総量12,000t/月のデリバリーは
物理的に無理な状況でした。

そこで構内物流の改善に取り組みました。まずシャーリングをレベラー
のそばに移設し、ミニレベラーから出る板を棟間台車でシートヤードに
集約する。物の流れを清流化し、同じくコイルの流れ、車の出入りを徹
底的に分析し、シミュレーションを繰り返しました。

結果、クレーン待ちや加工上がり待ち、トラックの滞留時間も減り、無
事S社の取り込みに成功しました。当時購入した機械や採用した社員が
数多く残っているのは嬉しいかぎりです。この裏には海外移転が進んで
いたM社さまのブランキング加工をやめ、撤去売却するという荒技も断
行しました。(ちなみにこの仕事は現在では、上海のCCで行っており
ます)

この後、原コイルヤードの物流改善で3次元置き場管理、自動荷繰り、
工程段取りの自動クレーンを入れ、物流改善は終わりとなりました。
 
次に行ったのが初めての赴任先である小山五十鈴です。この年にはゴー
ンショックがあり、メーカー移管が行われ、住金材を多く使っていたY
社さまが新日鐵材に替わり大量の仕事が入ってきました。

また次の柱を作るということで厚中板ハイテン加工ができる設備に増強
したこともあり、S社の取り込みで信用を得たS商社さまよりスリット
加工の仕事を沢山いただきました。

仕事が増えるのは喜ばしいことですが、如何せん構内物流が何ともなり
ません。昔から設備を止めるわけにいかないとの理由で、空いていると
ころに設置してあるので物流が良くありません。

また、切り板シャーリング設備が別会社の五十鈴エステックスにあった
ので、横持ちが発生し積み込み場所も増え、無駄なコストが発生してい
ました。そこでレベラーを移設し、エステックスを閉鎖して工場内に取
り込み、4つのヤードにそれぞれ薄物スリット、厚物スリット、薄板レ
ベラー、ブランキング(厚板)に整理しました。

また、クレーンの稼働がスムーズに行えるように切り板の生産、排出、
積み込み、パイラー、仮置き場などを再見直しし、徹底的に物流を試算
しました。それに五十鈴倉庫にも原コイルの持ち込みを「かんばん」で
お願いしました。

これにより狭い工場に機械が入り、尚かつ製品置き場も広く効率的にな
りました。このときに半年間、スズヤス栃木支店さまに加工応援をして
いただき良い関係となりました。そのことが今のワーレックス立ち上げ
がスムーズに行えた要因の一つになっていると思います。

後の社長が中ヤードを2車線の通り抜けにしたので、さらに構内物流が
良くなっています。

最後はメタルワン菱和ですが、五十鈴での考え方や設備を投入し、最新
の物流工場にすることができました。元々素晴らしいアイデアが多く、
2階建てカッタースタンドとかICタグ、自動集荷体制などがありまし
たが、広い工場の割には生産量も18,000t/月と少なく、単発的
で実用化されておらず、スタンダードになっていませんでした。

ここでの取り組みは、製品群をシステムによって置き場管理することと、
生産の段階から出荷管理するマーキングシステムと自動ラックを使った
出荷と在庫の仕分け事前処理を行い、荷探しから集荷、積み込みまでを
人を介せず行う「自動出荷体制」です。

これにより従来、運転手や受け渡しが行っていた作業がなくなりました。
またICタグと高炉バーコードの紐付けにより3次元管理もあいまって
クレーン手の一人作業が可能となりました。

このシステムを外部倉庫にも活用し、輸入材の受け入れも統一化できま
した。鉄鋼EDIだけでなく、お客さまとのEDI化も進んでおり、シ
ステム的にも優れ、物流管理においては素晴らしい工場だと思います。

このように構内の製品群の流れを効率的にし、コストを下げるのが物流
改善です。一方ロジスティクスは企業内最適化で、仕入から業務、生産、
出荷までをトータルで考え、各部署のアウトプットではなく一元化して
全体のスループットを良くし、在庫を減らしたり、無駄な置き場や設備
をせず人員も減らし、コンパクトにすることでROI(投資対効果)を
上げることが狙いです。

業務の改善においては、当時(30年前)システムの開発が各支店で行
われており、どのような事務の流れやシステムを作ったら良いのか社員
皆で考えていました。大和システムと称し、いろいろなことをやりまし
たが、構想として納期を入れれば自然と出荷する「自動出荷体制」を作
ることにしました。

現場で伝票発行しようと工場内に簡易事務所を作り、納品書発行と指定
伝票をセットにし、車別の管理棚で納品がスムーズにできるようになり
ました。

次の小山では、量が増えたこともありデリバリーが大変で、特にO社さ
まの切り板の管理、手配が間に合いませんでした。ここでは、今はBI
TにいるK氏と「自動板取」の開発を行いました。

システムの処理能力が格段と進んだことや、自動クレーンの荷繰り組み
合せ能力とスピードを考えれば、板取自動化は必ずできると確信しまし
た。また、上がり待ちが多かったので前日加工を徹底させました。これ
は後の「自動工程」へと繋がります。

メタルワン菱和のときには、フープの自動板取も完成していたので従来
のカードによる管理から解放され、事務処理が大幅に削減され30,0
00t体制が確立され、ピークでは42,000tまで加工販売するこ
とができました。

このように物流改善やロジスティクス活動を行うことは、第3の収益源
といわれ、近年では非常に重要視されています。ちなみに第1の収入源
は仕入原価で第2は製造原価です。こちらは従来よりサービスセンター
で取り組んでいると思いますが、ロジスティクス活動を正しく理解して
いただいて、できればIOCに取り入れて結果が出る活動とし、収益向
上につとめていただきたいと考えております。

今は立場が変わって、ワーレックスの側から20年前から取り組んだこ
とがサービスセンターで実践できるように「変わるを変える」お手伝い
をさせていただいておりますので、宜しくお願い致します。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.630〕は、2015年10月1日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

IOC成果発表会を迎えた今週の五十鈴グループは、今期から中期経営
計画が2年間ということもあり、例年の発表会にもまして大事な時期と
捉えています。成果発表では日々の活動の積み重ねによるところが大き
いものですが、活動の元となる戦略や戦術に対する発想の転換が非常に
強く求められるものではないでしょうか。
各社において、今期後半から来期へ向けての重要な示唆が得られるよう
な機会となることを切に願うものです。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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