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五十鈴メールマガジン〔No.653〕ルサンチマンとは何か?
配信日時:2016/03/17 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016.03.17発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.653≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆
   
       4年に一度のアメリカの大統領選の様子が

      連日日本のニュースでも取り上げられています。

             今回の選挙戦は、

      候補者の支持派と反支持派の衝突に発展するなど、

       通常の大統領選とは様相が異なっていますが、

      その背景にある世界の動向が気になるところです。

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☆No.653 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_ルサンチマンとは何か?
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_2020年のGVCに向けて(黒田常務)
┃
┃【ベル・インフォ・テックの現場から】
┃ ■_もう5年(山室社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

      ――― ルサンチマンとは何か? ―――
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鈴木貴士です。

最近「ルサンチマン」という言葉が多く聞かれるようになりました。
「ルサンチマン」とは、憤り、怨恨、憎悪、非難というような意味です
が、世界全体に格差が広がり、このような言葉が使われるようになった
と思います。

格差は勝ち組と負け組に分けられます。負け組は誰かを攻撃対象にした
り、過激な発言をする政治家を熱狂的に支持したりするようになります。

例えば、1929年世界大恐慌の悪影響を受けたドイツは「ルサンチマ
ン」に溢れた国民が、共産主義者、社会主義者、ユダヤ人を敵として認
定し攻撃するナチス・ドイツを熱狂的に支持し、ヒトラーが首相の座に
つき第三帝国を建国することとなります。

社会が不安定化し国民が貧困化すると、民主主義は崩壊し、特定の勢力
の「敵」を認定し、その「敵」を潰すことで、国民が熱狂し全体主義が
勃興するのです。

一方、勝ち組の国民は「ルサンチマン」により、「損」を強制されるよ
うになります。それにより、負け組に対し、「逆ルサンチマン」になる
こともあります。

現在のEUの難民問題もこのような背景がありますね。さらにアメリカ
大統領選挙を見ていると、共和党のトランプ候補はアメリカ社会の「ル
サンチマン」を背景に、「中国、日本、メキシコ」あるいはイスラム教
徒を敵として攻撃しています。

特にアメリカ人の雇用を奪っている、不法移民のメキシコ人を国外に追
放し、メキシコとの国境に塀を作り、その費用をメキシコに負担させよ
うとしています。

また、日本に対しては経済問題のみならず、日本が一番弱い国防問題で、
「アメリカが日本を助ける義務があっても、日本がアメリカを助ける義
務がないのは不公平だ」と言って、基地問題や安全保障問題に言及して
います。

一方の民主党のサンダース候補は「民主社会主義」を標榜し、所謂、富
裕層からの所得の移転を求めています。アメリカは元々自由主義で建国
し、社会主義を相容れない国なはずなのに、「ルサンチマン」により、
サンダース候補は「民主社会主義」というレトリックで、「ニューディ
ール政策」を標榜したルーズベルト大統領に似た政策、所得の一定の平
準化を求め、ターゲットはやはりウォールストリートの金融エリートに
なるのでしょうか。

現在流行っている、トマ・ピケティの「21世紀の資本」もそういう論
調ですね。人間の歴史は、平和を求めて戦争になり、平等を求めて不平
等、格差がついてしまうという繰り返しです。

資本主義経済は、ある程度の格差がついてしまうのは競争原理がある以
上しかたがないのですが、負け組に対する配慮というか、「セーフティ
ネット」が必要だと思います。

しかし平等を求めた共産主義、社会主義の国が独裁国家になり、とんで
もない格差がついてしまっているのは皮肉なことです。一方で資本主義、
自由主義の勝利だと言っても、グローバリズムの展開でこれほどの格差
がついてしまうと危険な気がします。

ちょっとしたきっかけで、世界中の「ルサンチマン」に火が付き、とん
でもない方向に行ってしまわないか心配です。日本は格差の少ない、社
会主義国と言われるくらいの国でしたが、最近のグローバリズムの進展
で格差社会になりつつあるように思われます。

利益至上主義のグローバリズムの価値観は金融市場と実体経済の乖離を
生み出し、バブルを起しては崩壊させています。日本も真剣にさまざま
な安全保障に取り組まなければなりません。それは国防、エネルギー、
食糧だと私は思うのです。


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【執行役員が伝えたいこと】_黒田常務

     ――― 2020年のGVCに向けて ―――
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今年はオリンピックイヤーということで、オリンピックの出場権をかけ
た戦いや日本選手の活躍が注目される国際大会など、テレビ等で取り上
げられることが多くなっています。

卓球やバドミントンなどはかなり強くなってきたことを感じさせ、世界
でも十分メダル争いができるのではと期待感を持たせてくれました。ま
たマラソンは世界では通用しないかもしれませんが、オリンピック出場
権への執念はすごく、日の丸を背負うことへの特別な思いが伝わってく
るようで、どの競技でも明確な目標がモチベーションにつながっている
ようでした。

しかし残念だったのは、特に大和とはゆかりの深い「なでしこジャパン」
がオリンピック出場権を逃したことです。「なでしこ」には大和市出身
の選手が何名かいて、大和駅前の広場は「大和なでしこ広場」と呼ばれ
ていて、選手のパレードなども行われたりしていました。ちなみに大和
SCにはその「なでしこ」と同級生だった社員もいます。

でも、あれだけ強く実績のある「なでしこ」がまさか敗退するとは思い
もしませんでした。マスコミ等ではいろいろオモシロオカシク書かれて
おり、さまざまな理由はあるとは思いますが、理由の一つには全員の目
標観が連動してなかったことがあるのではないかと思います。

オリンピックで金を目指そうと、大きな目標では全員が一致していたと
思いますが、世界レベルで相手が進化・変化するなか、それに対応した
個々の具体的な思いや行動が一致してなく、本来の強みであるチームワ
ーク・組織力が発揮できていないように感じられました。

団体競技は怖いもので一度崩れた組織力はそう簡単に立て直すことはで
きませんでした。是非2020年東京での次のオリンピックでは金を取
れるように頑張ってもらいたいと思います。

話は変わりますが、今期も残すところあと僅かとなりました。前回のメ
ルマガでも少し触れましたが、今期は五十鈴中央として新ビジネスでの
収益は増えてきていますが、販売の落ち込みなどにより収益は計画比で
マイナスとなってしまいます。

それを踏まえ来期は、基本方針を「マーケットの拡大」、キャッチフレ
ーズを「Smart&Cool」として、今中期、次期中期を見据えて
既存や新規ビジネスにおいて全社員が拡大の意識を持ってSmart
(独創的に自在)に、Cool(分析的・論理的にやりぬく)に、マー
ケットを探究し拡大していくつもりです。

そのためにもそれぞれのチームや個人に、全体観と連動したより具体的
な目標観を持てるようにしていきたいと思います。

そしてその先の2020年東京オリンピックの年には、私たちもGVC
(グローバル・バリューセンター)となれるように頑張っていきたいと
思っています。


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【ベル・インフォ・テックの現場から】_山室社長

          ――― もう5年 ―――
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2011年3月11日14:46、東日本大震災が発生して、もう5年
が経ちました。

当時、私も帰宅難民で都内の会社の一室で被害状況をテレビで見ながら、
自宅へ帰れなかった社員たちと不安な夜を過ごしたのを思い出します。

震災に関するさまざまなニュースやTVの特番を見ていると被災地であ
る東北各地の復興は、遅々として進んでいないことと地元の人たちの粘
り強いがんばりが伝わってきますが、完全に復旧するにはまだまだ時間
がかかるということは、誠に残念なことです。

我々もこの災害経験を風化させないように、また、忘れないようにしな
いといけませんし、どのような支援ができるのかを考えていかねばなり
ませんね。

ところである新聞を見ていたら、「災害大国ニッポンの企業の備え」と
いう記事があり、紹介をしたいと思います。

1社目は日本酒好きな方はご存知でしょうが、東北の三陸沿岸にある享
保9年(1724年)創業の「浦霞」の醸造元の(株)佐浦です。

酒蔵に震災時津波が押し寄せましたが、佐浦社長はいくつかのリスク管
理をしていました。酒蔵は2ヵ所に分散し、浸水したのは1ヵ所だけで
済み、かつ、それだけでなくもう一つのお酒の生命線である味を決める
酵母は、海がない長野県の同業者と話し合い、10年前から震災を想定
し、「お互いの酵母を保存しましょう」と実施しておりました。

そのような危機管理により、生産を継続し、300年近い看板を守った
(株)佐浦の売上高は、震災前より1割増えているようです。

2社目は、二輪車、四輪車製造のスズキ(株)です。

「5年が経ち大震災の記憶が遠ざかりつつあるが、巨大地震のエネルギ
ーは静かに蓄積しており、リスクが近づいている」と考え、「確率は1
00年に一度かもしれないが、将来のために対策を打つべきだ」と、ス
ズキの鈴木会長は、同社内では巨額の投資が必要な浜松工場の建設に反
対する声も上がりましたが、静岡県内の設計部門・工場の一部を浜松市
内陸部の高台に移転することを決め、実行に移しました。18年夏の全
面稼働予定となっています。

災害は予測しきれないので、企業の覚悟(対策)のかたちもそれぞれで
すが、何もしなければ企業の競争力と生命力を左右することは間違いあ
りません。

我々自身も5年前に起こったことを忘れずに、しっかりとした災害対策
を練り、リスク管理を実践していかないといけないと改めて心に刻んで
いかなければなりません。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.654〕は、2016年3月24日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

先週の11日は東日本大震災から5年を迎えましたが、私たちは災害訓
練はもとより、日々、非常時に際しても耐えうる状態を追求し、それを
実現していかなければならないと改めて噛みしめているところです。
今年は、アメリカの大統領選がいつもと異なる様相を呈しており、今回
のメルマガで代表も書かれていますが、その動向が非常に気になります。
日本としてどういう対応を取るべきなのか。我々一人ひとりもしっかり
と政治に関心を持って、どういう言動を取らなければならないかを考え
ていかなければならないと思います。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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