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五十鈴メールマガジン〔No.655〕経済の目的は何か?
配信日時:2016/03/31 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016.03.31発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.655≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆
   
          本日で2015年度が終了し、

        明日から2016年度を迎える企業が

          多いのではないでしょうか。

        景気の行く末が気になる昨今ですが、

        気を引き締めて新年度を迎えましょう。

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☆No.655 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_経済の目的は何か?
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_総決算(鈴木副社長)
┃
┃【ワーレックスの現場から】
┃ ■_現場では・・・(三谷社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

        ――― 経済の目的は何か? ―――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆

鈴木貴士です。

経済学者アルフレッド・マーシャルは、経済研究者の心構えを「冷静な
頭脳と温かい心を」と表現しました。経済問題に起因する人々の痛みや
苦しみを理解し、それを取り除く方法を考え、社会をより良い方向へ導
こうとする意志を持つことを訴えたのです。

そもそも「経済」の語源は「経世済民」、つまり「世を経(おさ)め、
民を済(すく)う」という意味だそうです。

安倍首相は「経済で結果を出す」とか、「強い経済を実現する」と言っ
ています。しかし、それは政府が世の中を混乱させる景気変動の波を鎮
め、国民生活を安定させるという基本的な経済政策の目的から、いささ
か外れているように思われるのです。

ただただ金融政策だけで円安や株価を誘導するだけでなく、完全雇用を
目指すと同時に正社員になりたい非正規社員を減少させ、また、勤労者
の実質賃金を上昇させなくてはなりません。

最初の三本の矢を検証すると、第一の矢は「大胆な金融緩和」、第二の
矢は「機動的な財政出動」、第三の矢は「民間投資を喚起する成長戦略」
でした。

当初はこの政策が功を奏し、2013年度の実質成長率は2.1%にな
りました。金融緩和で円安になり株価も上昇しました。財政出動も10
兆円実施し需要の拡大を喚起し、誰もがこのまま景気はドンドン良くな
っていくと思ったのですが、それも長くは続きませんでした。

2014年に消費税増税を実行して財政再建路線に舵を切ってから、財
政出動は半減し、どんどん緊縮財政になってしまったのです。果たして、
GDPは思ったような成果は出ず、日銀の2%インフレ目標も完全に忘
れ去られ、とうとうマイナス金利政策まで実行しました。

デフレからの脱却はどうなってしまったのでしょう。アクセルとブレー
キを同時に踏むような政策はマーケットを混乱させ、企業は設備投資を
控え、庶民は節約志向になります。

温かい心を失った経済の根底はグローバリズムです。すなわち、利益至
上主義による短期利益の追求、緊縮財政・財政均衡、規制緩和・構造改
革の推進、金融市場と実体経済の乖離の発生とバブル崩壊、技術開発投
資と人材開発投資の停滞、生産能力低下に伴う企業の弱体化、国境を越
えたヒト、モノ、カネの移動に伴う難民問題の発生、所得の一極集中と
富裕層と貧困層への二極化等、グローバリズムは現在の世界的な本質的
問題を発生させてしまったのです。

ここにきて、政府は著名な世界的な経済学者を呼び、消費税増税の凍結
と大幅な財政出動という方針に政策変更するような雰囲気を醸し出して
います。

しかし財政再建という呪縛から逃れ、徹底的な景気対策を取らなければ、
「強い経済」等は実現できません。そもそも財政規律とか、国の借金と
か、ギリシャのようになってしまうというような財務省のレトリックか
らいい加減に解放されなければなりません。

日本の国債の金利が何故マイナス金利になるのでしょうか? そもそも
財政破たんが迫れば国の信認低下によって、国債が暴落し、長期金利が
急騰して円は暴落し、実体経済が大混乱になると言われていました。

紙くずになるはずの日本国債は枯渇するぐらいの大人気です。最近勉強
したところでは、そもそも自国通貨建ての国債が返済不能になることは
ありえないそうです。

権威ある経済学者たちの理論は完全に外れています。ともかく、安倍首
相には「経世済民」で思い切った政策変更をして、温かい「強い経済」
を実現してもらいたいと思います。


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【執行役員が伝えたいこと】_鈴木副社長

          ――― 総決算 ―――
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3月31日は、本年度のすべてを締める日です。業績は、何回かの見込
み発表があり、おおよその締めの見当がつきます。さらに、決算では業
績と共に、財産の在り様も正確に把握します。

決算は、総まとめ、締めくくりとしての意味でも使います。個人として
の決算も、業績同様に重要な事柄です。個人の財産といえば、能力、ス
キル、精神力、人間性等、以前と比べ、どのくらい向上、成長したのか
を棚卸しすべきです。

五十鈴グループでは、IVCに基づき、「価値プレ」として、個人の業
績や能力向上について、経営幹部の前で発表します。また昇格試験もこ
のタイミングで行われます。先週、その昇格試験がありました。

最近の試験対象者の年齢は、課長が35歳前後、次長が40歳過ぎ、部
長が50歳前くらいがほとんどです。抜擢人事というのは、最近では珍
しくなってしまいました。決して、安全・安定を求めているわけではな
いのですが、結果として、そのような年齢になっています。

やはり、組織の活性化、若返りということを求めているので、これでは
いけないと思いつつ、個性を尊重した(活かした)育成ができていない
のでしょうか。挑戦の機会が減っているのでしょうか。威勢のいい、バ
イタリティ溢れる、エネルギッシュな人物が数人出てくることは、もう
ないのでしょうか。挑戦心と冒険心に富んだ社員を見出さないと、業績
を含め、並みの決算しかできない会社となってしまいます。

決算は、1年に1回ですが、今では、本決算とは別に四半期決算報告が
あります。個人も、四半期決算として、何らかの成果や成長を残さない
といけません。日々、成長している自分に気づき、掛け替えのない、グ
ループの大きな財産となってほしいです。

来期のグループ基本方針は、「顧客の創造」です。新しいお客さまを創
ると共に、自らの財産も増やしていきましょう。


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【ワーレックスの現場から】_三谷社長

         ――― 現場では・・・ ―――
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桜の咲くこの時期になりますと、入社式や転勤など多くの出会いと別れ
があります。今期の終わりでもあり、来期の始まりの時期でもあります。

ワーレックスも3年経ち、仕事も倍増し、新しい仲間も増えたり入れ替
わったりで、五十鈴運輸時代を含め1年として同じメンバーで活動した
ことはありません。

高校野球が始まっていますが、毎年メンバーが卒業で入れ替わっても技
術と伝統は保たれております。我が社もワーレックスブランドが段々と
認知されるようになりましたが、まだまだ確固たるものになっておりま
せん。

今年はこれを極めるべく、ワーレックスブランドやワーレックス品質が
どのようなもので、どの位のレベルにあるのかを追究します。そのため
にも現場感を大切にし、現場の力を強め、荷主の方が肌で感じられる会
社にしたいと思っております。

話はもどりますが、5年前の3月には東日本大震災があり、半年前には
思川や鬼怒川の氾濫もあり、我が社も多少弊害をこうむりました。

鬼怒川の氾濫では家が流され、まるで津波を思いおこさせるものでした。
皆さまも記憶にあると思いますが、必死に電柱にぶら下がって助けを求
めていた年配男性の姿が放映されていました。

今にも流されそうな状況なのに、北宇都宮駐屯地から出た救助ヘリは隣
の民家のベランダにいた人や犬をつれた老父婦を先に助け出しました。
これを見た視聴者から非難の電話がなりやまなかったそうです。

結果は民家が先に流され、電柱の年配男性は電柱によじ登り水に浸かり
はしましたが無事救助されました。今度は嵐のごとく賞賛の電話があっ
たそうです。

ヘリの自衛隊員には民家の基礎が崩れ流されるのが見えていたそうです。
現場の適切な判断であり、本部は本部で風評に流されない信念があった
からこそできたことだと思います。

これと同じようなことが震災の福島原発の事故のときにもありました。
我が社も原発から150キロしか離れておらず、万が一のときは放射能
が西に流れるので、会社に来なくてよいから、津波と一緒で自己判断で
逃げるように社員に指示しました。

そんな状況のなか、政府はメルトダウンが始まっているのに民衆の動揺
を抑えるため発表させませんでした。それどころか原子炉が過熱して溶
解しそうなのに注水を止めるよう指示をだしました。

吉田所長は猛反対しましたが受け入れてもらえず承認し、皆の前で注水
停止を発令しました。しかしながら事前に担当者には、「私が発令して
も注水は絶対に止めるな」と指示していました。結果、水素爆発はあり
ましたが大惨事はまぬがれました。

荷主のなかには、運送業者を買収して配車を組んでいるだけで、ワーレ
ックスに入れ替わっただけだと言われる人がいます。現場を知らないの
か見ようとしないのか、知っててとぼけられているのかわかりませんが、
最近のバスや大型トラックの事故を見ていると運送業者の安全、コンプ
ライアンスヘの対応・取り組みが軽視されていたり、荷主の過度の要求
のため無理が横行し、惨憺たる状況になっているのがわかるはずです。

我が社を取り巻く環境は傭車を含め同じであり、クレーン、フォークな
どの無免許、新人指導の省略、朝晩の点呼不実行、拘束時間違反、健康
診断未実施など、まだまだたくさんの違反を犯しているのが実態です。

重大事故が起きると世間に露呈し処罰されますが、同じことが繰り返さ
れているのが実態です。何故なら、運送業者の95パーセントが中小企
業だからです。

我が社はこれらのことを一つひとつ、お金と時間をかけて引き継いだ業
者から違法を取り除き、完全な形に仕上げているのです。また、拘束時
間など、我が社だけでは改善できないことがあり、荷主と一緒になって
「お客さまの変わるを変える」お手伝いをするロジスティクス経営モデ
ルを以前から推進しています。

昨年から国土交通省の指導のもと、3つのお願いがでております。

1.荷待ち時間の減少
2.無理な特急、追加の廃止
3.下請業者の話を聞く

その他にも固縛や運送に耐えうる荷姿改善など、取り組む課題も山積み
です。

同じ話を何度も繰り返すようですが、荷主、お客さま、株主、ひいては
我が社を取り巻く業界が健全で安全な姿で活動、運営できることを願い、
ワーレックスはわかっていただけるまで、いつまでも地道な活動に取り
組み続けていくつもりです。

気持ちはまさに、「はがねの気迫つらぬいて、時代をつくる意気に燃え、
進む我等の前途には・・・、いざ進まん産業の道、・・・いざ進まん日
本と共に」です。6月には社員総会でこの社歌を歌いますが、最近では
この気持ちがあまり感じられないことは残念です。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.656〕は、2016年4月7日に配信いた
 します。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

早いもので、明日から2016年度がスタートします。この1年間、企
業にとって厳しい経営環境だったのではないかと思われます。そんなな
かでも、勇気づけられるニュースや出来事などをメディアを通じて知る
ことが何よりもうれしく感じられるものです。
当メルマガも少しでも皆さまのお役に立てることができれば幸甚です。
今年度もご講読いただきましてありがとうございました。来年度もよろ
しくお願いいたします。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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