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五十鈴メールマガジン〔No.754〕「源氏物語」に学ぶ人間学
配信日時:2018/04/19 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2018.04.19発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.754≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆

           今月はキックオフ活動など

           期のスタートを勢いづける

         会合を行う企業があるかと思います。

       今期もいろいろなことが起きるでしょうが、

       ゴールを目指して突き進んでいきましょう。

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☆No.754 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_「源氏物語」に学ぶ人間学
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_そったくの機(瀬戸執行役員)
┃
┃【ベル・インフォ・テックの現場から】
┃ ■_報徳(山室社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

      ――― 「源氏物語」に学ぶ人間学 ―――
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鈴木貴士です。

私の敬愛する境野勝悟(さかいの かつのり)先生が「『源氏物語』に
学ぶ人間学」(致知出版社)という本を上梓されました。

内容は私が以前受講していた「境野勝悟塾」の講演がもとになっている
のですが、ともかく面白い。古典を勉強するというより、文字通り「人
間学」に触れると言ったほうが良いでしょう。

ともかく40年以上、奥様方と「源氏物語」の勉強会を継続している先
生ですから、その経験談が特に面白いのです。その勉強会で、女性の方
々がいろいろなことを仰ることが、血となり肉となって、「源氏物語」
の解釈のベースになっているのです。

簡単に言うと「女性の気持ち」がわかっているということなのですが、
先生の夫婦関係まで面白おかしく披露するので、楽しく古典に触れるこ
とができるのです。

先生は昭和7年生まれですから相当なお年ですが、ともかく若い。いつ
も着物で袴をはいて下駄で講義されるのですから、雰囲気は抜群にいい
のです。

有名な栄光学園で18年教鞭を執り、その後こころの塾「道塾」を開設
され、日本や日本人のこころの教育に励んでおられます。以前このメル
マガでも紹介したことがありますね。

先生の塾の特徴はともかく原文の音に触れるということで、意味はわか
らなくても音楽と一緒で、音の並びを感じることが大切だと説かれてい
ます。

「源氏物語」は「桐壷」から始まりますが、その最初の一文、「いづれ
の御時にか。女御・更衣、あまたさぶらひ給ひけるなかに、いと、やむ
ごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふ、ありけり」これで、第
一講が終わるぐらい、重要な最初の一文です。これが全てと言っていい。

その当時の文化的時代背景の解説でほとんどの時間が使われてしまうの
です。現代訳でその文章を解釈するより、原文をそのまま朗読するほう
がより重要です。

この一文の覗き窓は「女御・更衣」というところです。女御と更衣では
何がどう違うのか? 単純に身分が違うということではなく、天皇に対
する役割が全然違うとともに、その生い立ちも異なるということ。その
当時の価値観や皇室の制度、しきたりがわからないと話にならない。

源氏物語は長編小説ですが、全編を貫いているのは天皇が制度しきたり
的に愛してはいけない、更衣という身分の女性を愛したという大事件が
ベースになっています。

そしてそこに産まれたのが「光源氏」で、彼は多くの女性を愛し、その
中から庶民の女性の美しさを発見するのですね。このところも紫式部が
表現したかったことだと思います。

そして人間のありのままの事実だけを書いた物語だと先生は言われてい
ます。愛することだけではなく、憎しみや嫉妬、死んだ人を恋しいとい
う気持ち、哀れに思う心や愛おしいという感情、日本人の木目細かい心
の起伏がその人間観、男女の愛憎、愛の在り方、神ではなく自然と対峙
する日本人の古来からの価値観が描かれています。

ともかく源氏は女性にやさしい。やさしさとは何なのかということを教
えてくれますが、そのベースは自然のいのちの源泉である母親への愛と
いうものが重要なファクターをしめています。

先生はあとがきで次のように述べられています。「人に、なさけをかけ
る心。人の心をよーくおもんぱかる心。お先にどうぞ、という心。人の
話を、よく聞いてやる心。弱い人の立場を、思いやる心。小さな親切を
する心。親しい友を、たくさん持つ心。いい、悪いをいわない心。がま
んする心。ことばづかいを大切にする心。貧しくても平気な心。そして、
なによりも、男女が、仲良く楽しく、助け合い、いたわりあって生きて
いく心。ほんとうに幸せな人生を送るには、カネだけではなく、仲のよ
い『男と女』の在り方が、いかに大事であるか・・・」。

「不倫、不倫」と大騒ぎする昨今、「源氏物語」の本質がわかればそれ
がいかに意味のないことかが理解できるのではないかと私は思うのです。


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【執行役員が伝えたいこと】_瀬戸執行役員

         ――― そったくの機 ―――
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最近ある雑誌の記事で、高校教育の多様化に関連して、有名進学校特有
の自主性尊重主義で「そったくの機」の訪れを待つ教育の限界という記
事を目にしました。

「そったくの機」と言う言葉は、鳥が孵化する際、ひなが卵の内側から
殻をつついて音を立てる時を指す言葉が「そっ」で、それに合わせて親
鳥が外から殻をつつくのを「たく(啄)」といい、内側と外側のつつく
タイミングが一致して殻が破れて雛が生まれ出てくることを言います。

いくら親鳥が気をもんでも、ひな自身が生まれる気にならないとどうに
もならないということで、お互いの思いや動作が一致することにより目
的が達せられる好機として、理想の教育機会の比喩として使われたりし
ます。

最近の高校教育の現場では、このそったくの機の訪れを待つのではなく、
独自のメソッドで生徒の自発的な学習意欲(そったくの機)を早期に引
き出す、そったくの機が訪れた生徒を集中的に集めて猛勉強させる高校
が飛躍的に伸びているというのです。

「自分が勉強する必要性に目覚める」「自分で自分を教育する力を鍛え
る」「早い時期から自分の適性を把握する作業をする」「早い時期から
ライフプランを意識する」等々、自分が将来、どう生きていくのかを徹
底的に考える教育カリキュラムが充実しているとのことです。

生徒が自ら学びたいと思うまで待つのではなく、さまざまな仕掛けで生
徒の自発的な学習意欲をより早く、より確実に、意図的に引き出す教育
メソッドがそこにはあるとのことでした。

これまでの画一的な教育とは異なる新しい教育メソッドの具体的な取り
組みはここでは割愛しますが、自分の学生時代には全く経験のなかった
ものばかりで、なるほどと思うものばかりです。教育現場も次々と進化
していることを実感させられました。

新年度に入りVCの実現に向けて楽しみや期待が膨らむさまざまな変化
が起こっていると思います。

新たな組織体制や新チームのスタートもあれば、新たにチームリーダー
・管理職を任された人の活躍や新入社員の成長はもとより、インストラ
クターの任命を受けた先輩社員の今後の成長も楽しみです。

IVCによるキャリアビジョンの面談も始まり、社員一人ひとりから発
信される今期の自己成長への思いも真剣さが伝わってきます。IVCの
展開プロセスも基本をベースに柔軟にアレンジはしていると思いますが、
自己成長の仕組みや成長の支援がマンネリにならないようにしなければ
なりません。

今期から拠点での人財育成の仕組みも新たに再構築していく取り組みが
始まり、早速、新任チームリーダー・管理職研修が実施されている頃だ
と思います。

未来に向けて躍進するためにも、未来協創概念図のアウトプットにある
「ビジョナリー人財への成長」を目指して、拠点の人財育成も変革して
いかなければなりません。これまでの教育体系をベースにしながらも、
独自性ある人財育成メソッドの開発に全員参画で取り組んでいこうと考
えています。


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【ベル・インフォ・テックの現場から】_山室社長

           ――― 報徳 ―――
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新年度の4月を迎え、我がBITも、創立20年目の新年度を迎え、新
体制(組織変更)で、キャッチフレーズ「一致団結」を掲げ、基本方針
「ブランド価値の向上」の実現に向けて、スタートを切りました。

話は変わりますが、二宮尊徳(幼名:金次郎)と言えば、薪を背負いな
がら本を読む像で学校の校庭に立っている姿が有名ですが、明治27年
(1894年)4月、尊徳翁の教えを慕う6ヵ国(伊勢、三河、遠江、
駿河、甲斐、相模)の報徳社(1843年小田原で最初に設立された農
民扶助の相互融資機関)の総意により、小田原城址内に二宮尊徳翁をご
祭神とした報徳二宮神社が創建されましたが、皆さんはご存知だったで
しょうか。

尊徳翁は、1787年に小田原藩栢山地区の農家に生まれ、24歳で二
宮家の再興をするまでの経験から「積小為大」や「推譲」「以徳報徳」
という思想が生まれ、特に「報徳」の意味を、尊徳翁は物や人に備わる
良さ、取り柄、持ち味のことを「徳」と名づけ、あらゆるものに「徳」
があると考え、自然の恩徳や社会の人々の恩徳に感謝し、その恩徳に報
いるために、各自がそれぞれの持ち場で最善の勤めを果たすこととし、
その考え方を基に、農村総合的復興事業(仕法)を手掛け、江戸末期の
北関東一帯で600以上もの村々を貧困・窮乏から救済し、かつ大名旗
本の財政再建をした変革のリーダーとなったそうです。

尊徳翁の復興へのプロセスは、まずは村や藩の復興計画を立てるとき、
事前に過去数十年の収穫量の変動や人口の増減、田畑の荒れ具合などを
綿密に調べ上げ、周到なデータ分析をした上で、復興への企画立案をし
ています。

加えて徹底的に現場を大事にし、現地に行き、現場の人たちの声をしっ
かり聴いて、現状を正しくつかむこと。そして、現場の人の意欲を高め、
素早い対応によって実績を出すことで、働く人の夢と希望を叶えていく
というもので、三現主義(現場・現物・現実)を徹底しています。

現在の五十鈴グループでも、かつて激変の江戸時代に尊徳翁が実践した
ように、あらゆる場面で三現主義を徹底し、一人ひとりの能力を活かし、
一体となった組織力と最新ICT技術の融合があれば、将来に向けての
VCへの成長戦略実現のためのイノベーションがスピーディに図れるの
ではないでしょうか。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.755〕は、2018年4月26日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

この春は、例年になく花粉の飛散が多いためか駐車場の車の上に花粉等
が多く積もっています。4月のこの時期でも花粉症に悩まされ続けてい
ますが、あとしばらくと思って凌いでいきたいものです。
今月から新年度が始まりましたが、各社ではキックオフミーティングを
行う時期ではないでしょうか。良いスタートを切るためにも、このタイ
ミングで全員が気を合わせて臨むことが大事ですね。同時に体調も万全
の状態でいきましょう。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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