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五十鈴メールマガジン〔No.820〕
配信日時:2019/09/05 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2019.09.05発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.820≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
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            9月に入りましたが、

           まだまだ暑い日がつづき

         なかなか秋までは遠いようですね。

        それでも朝晩は真夏のころとは違います。

      エアコン等の効きすぎには注意していきましょう。

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☆No.820 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_現代貨幣理論入門
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_組織の強靭化(鈴木副社長)
┃
┃【ワーレックスの現場から】
┃ ■_総理大臣と社長(柔軟なれど哲学なし)(三谷社長)
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

        ――― 現代貨幣理論入門 ―――
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鈴木貴士です。

待望のMMTの第一人者、L・ランダル・レイ教授の「バイブル」と言
われる「現代貨幣理論入門」が翻訳され、先月末に東洋経済新報社から
出版されました。

解説は巻頭が中野剛志氏、巻末は松尾匡先生という豪華な顔ぶれで、監
訳も島倉原氏、鈴木正徳氏と専門家を起用し、相当力を入れていること
がわかります。

『現代貨幣理論(Modern Money Theory)。通称、
「MMT」。200年におよぶ経済学の歴史においても、これほどまで
に革命的であり、そしてスキャンダラスな経済理論が脚光をあびること
は、そうめったにない。』という文章で始まる、巻頭解説『「現実」対
「虚構」MMTの歴史的意義』は、これだけでも読み応え十分で、本文
の序章につながるものとして秀逸だと思いますが、相当分厚い本なので
読破できるか心配なのですが、挑戦しようと思っています。

MMTの歴史は意外と長く、多くの著名な経済学者によって成立したと
いうことです。ですから昨日今日、突発的にできた異端の学説ではない
わけですが、ここでも書かれているようにMMTの登場は革命的で、ス
キャンダラスな事件だと言わざるを得ないということです。

それは、世界中の経済学者や政策担当者が受け入れている主流派経済学
が大きな間違いを犯していることをMMTが暴いてしまったから、しか
も単なる間違いではなく、貨幣の理解からして間違っていると証明して
いるからです。

その根本の貨幣論ですが、主流派経済学は原始的な社会では物々交換が
行われていたが、そのうちに何らかの価値をもった「商品」が、便利な
交換手段(つまり貨幣)として使われるようになり、その代表的な「商
品」が貴金属、特に金であり、貨幣の起源であると言われています。

それが兌換紙幣となり、最終的には金との交換による価値の保証も不要
になり、紙幣は不換紙幣となり、それでも交換の際にみんなが受け取り
続ける限り紙幣には価値があり、紙幣としての役割を果たすという、主
流派経済学の貨幣論、「商品貨幣論」になるわけですが、これが間違い
であるということはすでにさまざまな貨幣研究によって明らかにされて
いますし、イングランド銀行や国際決済銀行も商品貨幣論を否定してい
ます。

「貨幣とは何か」についてはさまざまな説があるそうですが、商品貨幣
論をいまだに信じている社会科学はもはや主流派経済学のみなのではな
いかと中野先生は述べています。

MMTの貨幣論の概要は「まず、政府は債務などの計算尺度として通貨
単位(円、ドル、ポンドなど)を法定する。次に、国民に対してその通
貨単位で計算された納税義務を課す。そして政府は、通貨単位で価値を
表示した「通貨」を発行し、租税の支払い手段として定める。

これにより、通貨には納税義務の解消手段としての需要が生じる。こう
して人々は通貨に額面通りの価値を認めるようになり、その通貨を民間
取引の支払いや貯蓄などの手段としても利用するようになる。

こうして通貨が流通するようになる。要するに人々がお札という単なる
紙切れに通貨としての価値を見出すのは、その紙切れで税金が払えるか
らだというのである。」

そしてMMTはこの貨幣論を前提として構築され、結論だけ言えば主流
派経済学は、マクロ経済運営の中心に中央銀行による金融政策を位置づ
けるのに対し、MMTは財政政策を位置づけるという、「主」と「従」
がまったく反対となるということで、いままで述べてきたように革命的
であり、スキャンダラスだということですが、難しいとか、わからない
と諦めないで「貨幣」というものを勉強していかなければならないと私
は思っています。


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【執行役員が伝えたいこと】_鈴木副社長

         ――― 組織の強靭化 ―――
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製造現場において、「変化点管理」はよく使われる言葉です。いわゆる
4Mを中心とする変化への対応ルールを定め、その通りに実行する、あ
るいはイレギュラーを感じたときは、個人の判断に任せず、公的見解に
て判断し、仕事を進めていく管理プロセスのことと思います。

我が社も事務所の変化点、現場の変化点、お客さまの変化点も考えなが
ら、仕事をしています。

もうひとつ、景気の変化点、俗にいう景気の潮目が変わった、というこ
とを耳にすると思います。これは将来を予測するポイントのことですが、
どんな将来変化が起きるのかは、過去の経験に基づいていて正確に予測
できません。

変化を見る材料が多岐にわたり、どれがどのくらいの影響を及ぼすのか
わかりません。

しかし、いつでも変化は起こり、いつかは潮目は変わります。その都度、
相応の対応を取ることを考えず(局地戦では考えますが)、ダイナミッ
クでスマートに適応できるような組織力と知恵を蓄えておきたいもので
す。

それには多様性や異質なものが、いままで以上に組織内に共生すること
で、変化に強い組織を作ることができると思います。いまは必要と思わ
れない「ものの見方・考え方」を大切にすることが、未来価値の源泉か
もしれません。

10月の消費増税はひとつの変化点と捉えられていますが、それ以前の
インパクトの大きな出来事が景気の潮目を変えているのは、みなさんの
知るところです。我が社も数値の上では8月から変わってきています。
 
年初は10月の潮目をイメージして取り組みをスタートしていましたが、
その前に潮目が変わっています。ダイナミックでスマートに適応できる
ように組織の強靭化を進めていますが、この潮目に間に合っているのか、
その成否が試されるところです。

いままでは組織の強化に力点を置いていたので、靭化(じんか)には多
少の不安が残ります。いま、このときをトライアルと考え、靭化も合わ
せて「組織の強靭化」を進めていきましょう。


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【ワーレックスの現場から】_三谷社長

   ――― 総理大臣と社長(柔軟なれど哲学なし) ―――
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私は政治のことは詳しくはありませんが、企業経営と比較してみればい
ろいろと学ぶことがあります。

我が物流業界は票田が大きいので政治との関わりが大きく、ガソリンや
軽油などの税率も高く設定され、それが回り回ってカーナビやドライブ
レコーダーなどの安全装備や高速道路の割引などの助成金、補助金とし
て政府指導のもと還元されています。

今回の新約款や標準運賃の設定や昔の規制緩和などにも大きく政治が関
与しています。

そのようなこともあり、トラック協会の総会や賀詞交歓会には地場の自
民党をはじめ、各党の国会議員や県知事が挨拶に来ます。神奈川では昔
は小泉進次郎、甘利明、三原じゅん子、東京では石原慎太郎に始まり小
池百合子、千葉では野田元総理、森田健作県知事など多彩な顔ぶれが揃
います。

さすがに与党の幹部は忙しくて秘書が代理を務めています。協会の総会
と合わせて政治団体の総会も行われます。以前は票集めのためにという
感じでしたが、最近はいろんなことに手を打たれ改革しつつあるのが実
感されます。

一方、世界情勢は米中関税競争、日韓輸出入問題、中東原油輸送等いろ
いろとあるなかで日本の立場・対応が安倍総理に求められております。
安倍総理については相対的には評価がよく、長く続いていることが最大
の功績だと言われています。それまでの民主党などの短期政権は体を成
していないので、何をやってもよく見えるという運の良さもあります。

首相の仕事は特殊で、特定の知識やスキルを超えたセンスがものを言い、
総合芸術の極致のような仕事であり、実際に経験を重ねていくことでし
かセンスは身につかないし、やればやるほどうまくなると言われていま
す。

また歴代首相と比べて手数が多く仕事量も多いのですが、処理が早く、
その時々の課題に的確に意思決定しており、菅官房長官、甘利元経済再
生担当相ら側近に政治センスのある人を集めています。練り上げている
バランス感覚があり、国民を変な方向に引っ張っていくことはなさそう
だという安心感を与えています。

首相を社長に、国民を社員に置き換えれば、同じことが社長業にも必要
だと言えるのではないでしょうか。一方、安倍総理に感じる物足りなさ
は良く言えば柔軟だけれども、悪く言えば確固たる哲学や歴史観がない
こと。

究極的な指導力とは人々が物事を短期で見る方向へ流れていくなかで、
長期に見るように持っていく力であり、その源泉は哲学や歴史観であり、
企業経営にも同じことが言えると思います。

創業者の会長をはじめ、パナソニックの松下幸之助や京セラの稲盛和夫、
ホンダの本田宗一郎らの優れた経営者は確固たる哲学を持ち、強い指導
力を発揮しました。

ロシアのプーチン大統領、米国のニクソン元大統領、良い悪いは別にし
てトランプ大統領等、これから国をどうしたいか明確であり強烈なメッ
セージがあります。

日本にはこれからどういう国にしたいのか長期にわたる骨太で明確なス
トーリーが見えてきません。消費増税、年金など人口減少のなかで日本
の前向きなビジョンを描いて欲しいし、その過程で苦しいことがあって
も国民に将来の希望を示し、そのうえで社会保障の資源配分など国民が
納得できる具体的な政策を出していくべきで、そうでないと若者は期待
が持てないし、政治に興味が持てません。

物流業界は新約款を皮切りに変革時期にあり、値上げで大変だとは思い
ますが経済全体のことを考えご理解いただきたい。また政治には常にオ
ルタナティブ(代替え)が必要であり、競争戦略の視点(他との違いと
独自のポジショニング)で言えば、野党は与党との違いをもっと明確に
出すべきであり、あれもやります、これもやりますと言っていても説得
力はありません。我々はこういうことはしません、というメッセージを
出すほうが有効です。

いまの野党は弱いので自民党内でのポスト安倍の権力闘争のほうが代替
え機能を果たします。はたから見てもそう思います。

センスある後継を育てるのは容易ではありませんが、いまの日本や野党、
与党を自分の会社の置かれている状況に置き換えてみれば考えさせられ
ます。

企業でも優秀な後継者を育てるのは難しいですが、おのずから育ち出て
くるそうです。そう期待しながら次世代の社長には会社も含め、近視眼
的な見方ではなく哲学と歴史観を持って長期のビジョンを描き、社員が
進んで短期の我慢ができる夢あるストーリーを示せる人が出てきてほし
いものです。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.821〕は、2019年9月12日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

カレンダー上は秋に突入している時期ですが、暑さ寒さも彼岸までと言
うとおり、日中はまだまだ夏の気温で蒸し暑さを感じる今日この頃です。
今月はラグビーW杯2019日本大会の開催も控えていて、またすでに
来年の東京2020五輪・パラリンピック競技大会も開催まで1年を切
っており、例年よりもスポーツでにぎわう秋になるのではないでしょう
か。
ラグビーに関してはこれまでほとんど知りませんでしたが、TVの特集
やドラマの影響もあり、興味が出てきたところです。日本代表の活躍に
期待しながら応援していきたいと思います。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
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 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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