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五十鈴メールマガジン〔No.823〕人生最後の本
配信日時:2019/09/26 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2019.09.26発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.823≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆

           五十鈴グループでは現在、

        IOC活動成果発表会が行われています。

            本年度から始まった

      2020年Will-Naviゴールに向けての

        最終経営目標2ヵ年の最初の発表会です。

     1年半後のゴール目指して突き進んでいきましょう。

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☆No.823 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_人生最後の本
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_先端技術と独自の伝統で未来へ(黒田常務)
┃
┃【アイ・コミュニケーションズの現場から】
┃ ■_はみ出す力(臼井社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

         ――― 人生最後の本 ―――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆

鈴木貴士です。

今回はいつもと違う話題を、ということで、私が心理学に興味を持った
恩人の「岸田秀」先生の「唯幻論始末記」を取り上げます。

本の帯には「<書き下ろし>わたしにとって、これが人生最後の本にな
るであろう。」と書かれており、その下に「唯幻論の背景には、まとわ
りついていた強迫観念があった。」「〈母の愛〉に苦しめられた自らの
人生とともに振り返る唯幻論の一部始終。」とあります。

皆さんは何のことだかわからないと思いますが、説明すると、「人間と
は本能のこわれた動物である。であるからして、ある種の幻想を持たな
いと生きていけない、行動できない」ということなのですが、私は伊丹
十三という俳優、映画監督、エッセイスト、ドキュメンタリストである
彼を敬愛し、彼の書いたあらゆる本を読み、監督したすべての映画を観、
松山にある彼の記念館までわざわざ行ってきた男ですが、「哺育器の中
の大人」という[精神分析講義]の対談本(伊丹十三+岸田秀)に、そ
ういうことで出会ったわけです。

伊丹さんは「ものぐさ精神分析」という岸田先生の最初の著書であり、
大ヒットしたものに感銘を受け、この企画となったと言われています。
しかしこの対談本は本当に面白く、そのうえ心理学にどんどんハマって
いってしまうという絶妙な本なのです。

博学多才な伊丹生徒はしばしば、岸田先生、本人言うところの「教師」
は精神分析のことをあまりよく知らず、鋭い質問にしばしば絶句し、そ
れでも「唯幻論」を語ることで切り抜けるさまが実に軽妙でありました。

「文庫本のためのあとがき」で、「先に丸を書いたのは岸田さんであっ
た。『我々の人格全体をこれとするとですねえ――』」という言葉で始
まる伊丹さんの文章は秀逸で、この対談本の要約とも言えます。

「丸には二つの種類があった。一つは自我とエスの丸である。人間は本
来、もろもろの欲望や衝動が犇(ひし)めくドロドロの渦巻きである。
しかし、ドロドロむき出しのままでは社会が成り立たない。従って、ド
ロドロ本体の上におのおの社会的な仮面を被り、仮面同士の関係によっ
て辛うじて社会を形成している。この仮面を自我、ドロドロをエスと呼
ぶわけだ。」

「もう一つの丸は自己と他者、あるいは自己と世界の関係を表す丸であ
る。これは、ずれて重なった二つの丸で表される。例えば子供が生まれ
る。親は、『理想のわが子像』を赤ちゃんに貼り付ける。ところが育て
ていくうち、子供は『必ず』親の理想からずれたところに姿を現してく
る。問題はこの時、せっかく現したわが子の本当の姿と付き合おうとせ
ず、それを拒否する親がいるということだ!」というようなことが書か
れており、「何よりもまず自分と出会う努力をすることが必要である。」
「自分と出会うということは、とりもなおさずエスと出会うということ
に他ならない。」ということですが、これが非常に難しい。

なぜなら自分のエスを直視しなければならないからなのですね。岸田先
生はそれを経験的に、特に自分と母親の関係の中から苦しみ、学んだの
であり、それが冒頭の「強迫観念」や「母の愛」に関する記述なのです。

先生は80年以上、多くの経験から得た問題をどう受け止め、どう対処
したかを思考し、いつの間にかフロイト理論を剽窃(ひょうせつ)した
唯幻論という説を唱えることになり有名になった訳ですが、その総括を
この「唯幻論始末記」でされています。

自己露呈の本と言っても過言ではないですが、それだけ一生をかけて本
当の自分と向き合おうとしてきた、先生の最後の本と言われる所以だと
思います。精神分析に興味があったら読んでみてください。


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【執行役員が伝えたいこと】_黒田常務

     ――― 先端技術と独自の伝統で未来へ ―――
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2020東京オリンピック・パラリンピックまで残り1年を切り、さま
ざまな競技で出場権をかけた熾烈な争いが繰り広げられています。

先日もマラソンのMGCが行われ代表選手が決まりましたが、各選手が
リスクをおそれぬチャレンジをしたり、意地や執念をぶつかりあわせた
りと、とても面白いレース展開であったと思います。是非オリンピック
の舞台でも活躍して欲しいと思います。

その他の競技でもぞくぞくと代表が決まり、選考試合も行われています
が、東京オリンピックがあるからこそ、目標が近くに見えてきたからこ
そ、いままで以上の迫力やパワーが発揮されているようにも感じられま
す。

私たちのIOCもこの10年の集大成となる2020Will-Nav
iゴールに向けた最終経営目標の最初の発表会が、まさに行われている
真っ最中であります。

10年前にはおぼろげなものであった目標観もだいぶ明確になってきて
近くに見えてきたのではないでしょうか。残り1年半、どのように活動
を進めていくのかを明確にして、目指すゴールに向け、いままで以上に
ダイナミックにパワーを発揮していきましょう。

話は変わりますが、東京オリンピックのメイン会場になる新国立競技場
やオリンピック開幕に向けてオープンする高輪ゲートウェイ駅は木造感
あふれるつくりになると聞いています。木造イコール日本風、和の雰囲
気になるということだと思います。

その木造が近年高層建築の手法にもなると世界的にも注目をされている
ようです。コンクリートに比べると軽量な木造は基礎を岩盤まで届かせ
る必要がなく、工期の短縮やコスト削減になるそうです。

ただ木造の弱点である耐火性が問題であったのですが、柱の構造を三層
にし、木材の間に燃えにくい石膏を入れることで中心部まで燃えること
を防ぐことができるようになったのです。

こうした建材の開発が建築基準法をクリアし、木造高層建築は世界的ト
レンドとなり、環境にやさしい建築として注目されています。高層ビル
はコンクリート製という常識が変わっていくのかもしれません。日本で
も江東区に12階建てのビルが建築中だそうで、アメリカ・シカゴでは
80階建ての高層ビルも木造で計画中だそうです。

もともと日本では法隆寺の五重塔や東大寺の大仏殿と、世界に誇る木造
高層建築が存在しており、火事にさえ遭わなければ伝統とともに現在に
伝わっているのです。

今後このような最先端技術と日本独自の伝統が、日本の林業や産業全体
を変えていくのだと思います。私たちも現在の良き伝統を大事にしなが
らも、先を見据えてこれからも活動していきましょう。


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【アイ・コミュニケーションズの現場から】_臼井社長

          ――― はみ出す力 ―――
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IOC成果発表会がスタートしました。2020年のWill-Nav
iゴールに向けた活動が拍車をかけて展開されています。

今年のグループ社員総会上で発表された、Will-Naviの201
9年度の3つの活動(1.五十鈴流働き方改革の推進、2.ファブレス
ビジネスの事業化、3.スタートアップ企業・ベンチャー企業との協創)
について、アイコミ内でもスピードをあげて展開中です。

近年の取り組みとして、これまでのビジネス補完のビジネスパートナー
(BP)から、アイコミ版のファブレスにつながる新サービスの事業化
に向けた新たなBPの開拓を進めてきました。

五十鈴グループが展開する多種多様なVCテーマに対して、最適なBP
をマッチングさせる機能開発に取り組んでいます。

あわせて、私たち自身の機能やサービスをデジタル化することを一気に
実現させることを狙って、具体的なテーマで複数のベンチャーとの協創
活動を実践しています。

先日、協創活動のミーティングでのやりとりのなかで、ベンチャー企業
の若き経営者が私たちに問いかけました。

「歴史があり一定の規模がある企業とベンチャー企業の違いは、何だと
思いますか?」

参加していたメンバーはそれぞれの考えを述べました。彼の答えはこう
でした。

「失敗の数です」「ベンチャーは、失敗のなかから成功を生むことが当
たり前。大企業は失敗をしないことで成功を求める」「だから、ベンチ
ャーと大企業との共同開発は、簡単なようで意外とハードルが高いんで
すよ。技術の融合や転移は簡単にできるように思えますが、考え方と習
慣の壁を乗り越えるのは本当に大変なんです」

シンプルな回答ではありましたが、確かにそうだなと納得しました。

そしてもう一つ、彼とのやりとりのなかで感じることは、成果を創出す
る時間の捉え方です。ベンチャーで成功経験のある人は、スピード感あ
る実行や実験的取り組みを重視します。

コミットメントを基準に、自分の責任でできることを物凄い速さで実現
するスタイルが身についています。そのスタイルからも刺激を受けてい
ます。

アクションラーニングとか、アジリティーだとか、これからの仕事スタ
イルで重要だと言われているキーワードはありますが、現実的に実践し
ようとしたときにこれまでのスタイル、これまでの成功パターンから逃
れられない自らの悪癖を直視することが本当に重要だと思います。 

そもそもVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)ワールドと言
われる世界観のなかでのビジネスには正解など存在しないのですから、
「これは社会に役に立つ・お客さまへの大きな新たな貢献になる」とい
うことが見出せたならば、そこに向かって動かねば次のステージには進
めません。

失敗の前例のないところでのビジネスなのだから、早いもの勝ちだし、
大変だけれど初めて知ることも多く楽しい世界です。

いまの五十鈴のIOCは、そういった意味で大変だけれど好奇心をエネ
ルギーにしたリアリティーある新たなステージに踏み込んでいると感じ
ています。

先日読んだ本のなかにこのような一節がありました。

「AIにできない人間の力として『知らない世界にはみ出す力』がある。
AIはあくまで入力されたデータの範囲内での最適解を導く力を持って
いる。でも前提となる考え方の枠の外にはみ出す力はない。人間には、
好奇心があり、それは知っている情報の枠から自らがはみ出そうという
力である」

仕事に限らず、好奇心が強くなればなるほど、学習意欲や実践力はおの
ずと高まります。知らない世界だからこそ、面白い!と感じられる日々
を皆と大事にし、大きな変化そして成果を創っていきたいと思います。


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 ◇◇◇NEW!今週の五十鈴グループホームページ更新情報◇◇◇ 
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今週、新たに五十鈴グループホームページに掲載しましたニュース記事
は以下の内容です。ぜひご確認ください。 

◆ニュースリリース 

2019.9.23 小山サービスセンターに、
           リゾートコスチューミングサービスさまご来社
                             
         http://www.isz.co.jp/news/2019/0923_000307.html

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┃ たとえば「〇〇さんにコレについて書いて欲しい!」などの
┃ リクエスト、その他何でも言いたいコトはこちらへ!
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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.824〕は、2019年10月3日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

五十鈴グループでは2020年度のWill-Naviゴールまで残り
1年半となり、各社では今年度から始まった2ヵ年の経営目標達成に向
けた取り組みが行われています。先週から今週いっぱいIOC活動成果
発表会が各社で行われ、例年になく真剣で集中したプレゼンが展開され
ています。Will-Navi開始から8年半経過した現在、組織・チ
ーム・社員の成長や、多くのビジネスパートナーとの協創関係の構築、
そして生み出された多くの資産があります。それらを基に次の長期も見
据えて、グループとしてさらなる成長・飛躍につなげていきましょう。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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