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五十鈴メールマガジン〔No.839〕論語と算盤
配信日時:2020/01/23 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.01.23発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.839≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆

            この冬は暖冬とは言え

        時に寒い日もあり、寒暖差の激しさを

          身に染みて感じるところです。

         インフルエンザも流行りだしており、

       普段からの対策をしっかりと行いましょう。

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☆No.839 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_論語と算盤
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_鈍刀を磨く(瀬戸執行役員)
┃
┃【五十鈴建設の現場から】
┃ ■_持続可能な社会の実現を担う企業へ(神生社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

          ――― 論語と算盤 ―――
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鈴木貴士です。

私は東京商工会議所の議員をやっていますが、1878年に創立したの
は、あの有名な渋沢栄一です。「民の繁栄が、国の繁栄につながる」と
いう理念で初代会頭を務めました。

「道徳経済合一説」をはじめとする彼の教えは「論語と算盤」という本
に集約されていると言ってもいいでしょう。嬉しいことに、今度の新一
万円札の肖像画にもなりますし、来年のNHKの大河ドラマにもなるそ
うで、なにやら渋沢栄一ブームなのかと思ってしまいますが、昨今の日
本や世界のグローバリズムの環境には彼の思想が必要だと思うのです。

リーマン・ショックはウォール街の金融工学がデリバティブと称する商
品に振り回されたのですが、その致命的な欠陥が「倫理」あるいは「道
徳意識」で、サブプライムローンに発したリーマン・ショックも絶対に
ローンを組ませてはならないような人々にローンを組ませ、それを証券
化して世界に売りさばき、大変なことになりました。その後の世界も利
益最優先で「カネ、カネ、カネ」ということになり、倫理観がないよう
なご時世になっています。

渋沢栄一は明治の開国の時代で「富国・強兵」の政策は当然資本主義で
倫理を忘れるところでしたが、日本の経済界で「道徳」と「経済」は互
いに反するものではなく、車の両輪のごとくあるべきものだという不動
の信念を持っていました。

彼は揺籃期の近代産業のほとんどすべての育成に関与したにも関わらず、
大財閥も作らず、「私がもし一身一家の富むことばかりを考えたら、三
井や岩崎にも負けなかったろうよ、これは負惜しみではないぞ」と息子
たちに語ったそうです。

彼が、子孫に残しておきたかったものは、一つの真心、それは「心に恥
じ身に疾(やま)しき事とては秋毫の末もあらず」という倫理道徳上の
自信で、書き物のはしがきに和歌として掲げられています。

また、彼は自分の儲けになることを、国家・社会のために他人にどんど
ん分け与えたのです。だからこそ、当時の国家の評価も別格で、三井や
岩崎の男爵よりも高い子爵を与えられたのです。

関わった会社の数は約500社で今のみずほ銀行や帝国ホテル、IHI、
東京ガス等、今もなお185社が創立以来名前は変えても続いています。

「論語と算盤」は「処世と信条」という章から始まります。「士魂商才」
を掲げた彼の実業への思いが込められていますが、「世の中で役に立つ
ためには武士道精神が欠かせないが、それだけでは失敗する。やはり商
売の才能も同時に持っていなければならない」ということで、この言葉
を発明したのですね。

「人の世に処するの道はなかなか至難のものであるけれども、論語を熟
読玩味してゆけば大いに覚るところがあるのである。ゆえに私は平生孔
子の教えを尊信すると同時に、論語を処世の金科玉条として、常に座右
から離したことはない」という活学としてとらえているのが、精神論だ
けでないことを教えてくれます。

私も四書五経を社長会で何回も講話しましたが、創業以来理念経営をし
てきた五十鈴の根本精神も、会長の語録も思い・考えも共通していると
思います。

会長はいつも「社員の幸せ」を考えていました。「幸せ観」は時代によ
って多様化しましたが、今で言えば真の働き方改革でしょうか。「気分
よく働けて、業績がよく、自己成長できる会社」と私は以前から言って
いますが、そうなっているでしょうか。社員が幸せを感じるような会社
になっているか、今一度考えたいと思います。


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【執行役員が伝えたいこと】_瀬戸執行役員

          ――― 鈍刀を磨く ―――
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新年の恒例でさまざまな賀詞交歓会に出席させていただく機会がありま
す。経済動向や会社方針のお話など、経営層の方々の考え方に触れる有
意義な機会となります。

話題は多岐に渡りますが、昨年とは一転してムードは厳しい一年を予感
させます。それでも、東京で2回目のオリンピックが開催されることや、
2020年の「子年」は、再び新しい干支のサイクルがスタートする年
でもあり、新たな成長へ向かうという未来志向で一年頑張りたいと思い
ます。

ある書物で、「誰にも負けない努力」について書かれていたことで、と
ても感銘を受けた言葉があります。自らの職業にどれだけの情熱を注い
でいるか、一点の曇りや邪心もない純粋な心をもって燃えるような情熱
を傾けて真摯に努力を重ねていくと言うものです。

詩人の坂村真民さんの「鈍刀を磨く」という言葉も好きです。家内の実
家が愛媛県松山市で、近くに記念館があるのでなんとなく親しみを持っ
ています。

「鈍刀をいくら磨いても
 無駄なことだというが、
 何もそんなことばに
 耳を借す必要はない。
 
 せっせと磨くのだ。
 刀は光らないかもしれないが
 磨く本人が変わってくる。
 
 つまり刀がすまぬすまぬと言いながら、
 磨く本人を光るものにしてくれるのだ。
 
 そこが甚深微妙の世界だ。
 だからせっせと磨くのだ。」

という詩です。磨くことで、一番磨かれているのは、自分なのだと言う
ことです。日々、そのような努力を重ねていくことが大切だということ
を教えてくれている言葉です。

自らの信念で、自分にとっての「鈍刀」を見出して、愚直に磨き続ける
ことが、誰にも負けない努力に通じることだと思います。

どんな環境にもへこたれず、強固な意志で自分自身を鍛え上げていくこ
とが大切だと思います。今年も一年、バリューセンターの実現に向けて、
「鈍刀を磨く」が如く、人としても組織としても輝く一年にしていきた
いと思います。


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【五十鈴建設の現場から】_神生社長

    ――― 持続可能な社会の実現を担う企業へ ―――
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建設の神生です。

1月も下旬となり、お正月気分も薄れてきている時期だとは思いますが、
建設業界は2月中旬まで、「賀詞交歓会」「新年会」「感謝の集い」と
呼び名を変えて会合があります。

同業他社との集まりやお客さまからの招待もありますので、さまざまな
話が聞けて大変有意義な機会をいただいています。

会合でのキーワードには「働き方改革」「生産性向上」「残業規制」
「東京オリンピック後の展望」「AI(人口知能)」等がありました。

建設業界は、1992年に市場規模84兆円という最大のピークを迎え
た後、年々縮小傾向にあり、2010年には約41兆円とおよそ半分程
度まで落ち込みました。その後、2020年の東京オリンピック・パラ
リンピック開催に向けて、その市場規模は50兆円超まで回復してきて
います。

需要は回復している一方で、建設業界は深刻な人手不足問題を抱えてい
ます。さらに深刻なのは人手不足に加えて、建設業就業者の高齢化の進
行です。建設業就業者の55歳以上が約34%、29歳以下は約11%
という現状は、高齢化が進み、若手は増えていないことを表しています。

少子化問題、高齢者の大量離職の見通し、将来的な担い手が確保できず、
技術継承ができない、という悪循環に陥っています。

国としては、「持続可能な社会の実現」のためなのか、2018年6月
に「働き方改革関連法案」を成立させ、労働時間を月45時間、年36
0時間を原則とする、全業種に時間外労働の罰則付き上限規制の適用が
開始されました(大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月
から)。

ただし、建設業については、猶予期間が設けられ、法改正施行5年後の
2024年4月1日から上限規制の適用が決定となりました。

規制が適用になれば、時間外労働を原則月45時間かつ年360時間以
内、特別な事情がある場合でも年720時間以内、単月100時間未満
に抑える必要があります。これまで事実上“青天井”だった建設業の時
間外労働が、初めて法的に規制されることになります。

法律への対応はもちろん、深刻さを増す担い手不足への対策としても、
働き方改革は重要なキーワードとなっています。業界を挙げて取り組む
のが、現場への週休2日制の導入です。

諸官庁の発注物件は、少しですが週休2日制を行うように契約をしてい
るところも出てきています。今後は工期を延ばして週休2日制に変更し
ていくと思われます。また民間企業の発注物件についても、騒音規制等
の強化などの規制により、週休2日制の後押しを行うのかもしれません。

企業は「持続可能な社会の実現を牽引する役割を担う」という本題があ
り、その一環としての問題定義の一部を行政は提示していると考えます。

会社は社員(仲間)がいるからこそ、成り立ちます。さまざまな課題は
ありますが、「全員参画」で克服しなければなりません。

大きな目で考えると建設業は社会の環境を創る仕事ですので、「働き方
改革促進」が大きなビジネスチャンスと考えられます。

ある企業の新年会の挨拶で、「バブル期以上の設備投資を行う」との話
を伺いました。これも「生産性向上」「残業規制」に対応するためだと
思います。これからも時代に合わせた良い提案をお客さまのため、「持
続可能な社会の実現」のためにもしたいと思います。今後も今まで以上
の協創・協働をお願いいたします。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.840〕は、2020年1月30日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

この暖冬も地球温暖化の影響によるものと言われています。日中には3
月ぐらいの陽気の日が続いておりますが、さすがに朝晩は寒く、しっか
りと防寒していかなければなりません。世界的にも異常気象の影響で、
オーストラリアでは大規模火災で多くの人が亡くなり、コアラなどの動
物が被害に遭って生態系を破壊するのではないかと危惧されています。
これからの企業は「持続可能な社会の実現を牽引する役割」を担ってい
くことが求められますが、我々一人ひとりが将来に向けた地球環境のあ
り方を見据えて、実践・行動に移していかなければならないと痛切に感
じるところです。
                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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