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五十鈴メールマガジン〔No.847〕グローバリズムの終焉
配信日時:2020/03/19 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.03.19発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.847≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆

         新型コロナウイルス感染症の影響で

           これからの花見の時季も

      例年とは違う光景となるのではないでしょうか。

      自然の中で人と触れ合い、春を謳歌できるよう

       一日も早く収束することを願うばかりです。

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☆No.847 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_グローバリズムの終焉
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_基本の徹底(老田常務)
┃
┃【ワーレックスの現場から】
┃ ■_最後のメルマガ(三谷社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

       ――― グローバリズムの終焉 ―――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆

鈴木貴士です。

世界的な感染症のパンデミックが発生し、グローバリズム(モノ、ヒト、
カネの国境を超えた移動の自由を善とする主義)が終焉に向かっていま
す。

中国という経済的に急成長している国の武漢を発祥地とする新型コロナ
ウイルス感染症は、世界に広がりました。日本もクルーズ船を含め大変
なことになっていますが、ヨーロッパはイタリアが最も状況が悪いよう
です。

しかしこれは本当にまずい。なぜならイタリアはシェンゲン協定加盟国
だからです。EUという「グローバリズムの国際協定」はヒト、モノ、
カネの国境を超えた移動を自由化しています。

人については「労働者の移動を妨げてはならない」マーストリヒト条約
があり、さらにシェンゲン協定ではEU諸国は国境検査なしで、移動す
ることができます。日本で言えば、県境を超えるような感覚で国境を越
えることができるのです。

イタリアでこれだけ感染者が増えればEUの協定加盟国におけるアウト
ブレイクは避けられないでしょう。

そのため、フランスは生活必需品以外の全店休業や人の移動を制限し、
スペインでは非常事態宣言をするなど、強硬な措置に踏み切りました。

また、ドイツは隣接するフランス、スイス、オーストリア、ルクセンブ
ルク、デンマークの5ヵ国との間で国境検問をすると発表しました。こ
れは事実上の国境封鎖です。この時点でシェンゲン協定は終わりました。

改めてグローバリズムは平時を前提とした考え方なのだなと思いました。
国境の向こうから「悪しきもの」が入ってこないというベースで物が考
えられていたのですね。

あれだけの2度にわたる大戦争で欧州の人々は知恵を絞り、EUやユー
ロや協定で自由にそして平等にやっていこうとしたのですが、現実には
犯罪者、テロリスト、疫病といった入ってきては困るものがあるかもし
れず、さらには国民の食糧の安全を阻害する農産物や安価な生産物の大
量流入により国内の生産者に打撃を与え、安全保障が損なわれるかもし
れない、またその逆に国内の工場が外国に移動し、国民が所得を稼ぐ場
が失われるかもしれないという懸念はあったかもしれませんが、平時の
時はそういうことはどこかへ追いやられてしまうのでしょう。

ともかく、1980年代以降、世界を席巻したグローバリズムは今回の
騒動で明確に終焉に向かっています。江戸時代、幕府が鎖国に踏み切っ
たわけがわかるではありませんか。当時に戻って鎖国するわけにはいき
ませんが、やたら自由だ国際交流は何でもいいという考え方から、すこ
しは国境の高さを引き上げたほうが良いのではないかと思ってしまいま
す。

そして、効率や無駄の排除ばかり取り上げて平時をギリギリに回してい
ると、非常時にはとんでもないことが起きるということです。

イタリアはユーロ圏のため自国通貨建ての国債を発行できず、財政再建
を強要され、超緊縮予算で医療関係の予算も相当削りました。ですから
医者や看護師、病床等が不足し、今回の非常時にそれが爆発して医療崩
壊を起こし、国自体の危機になっています。

日本も同じように財政再建でPB黒字化目標を掲げ、緊縮予算と増税を
繰り返しているので、医療関係の予算も削られて、病床の数も減らされ
ている状況でした。保健所の数も相当減らされています。

ここは思い切って、消費税の撤廃と大型の財政出動でこの国難に立ち向
かわないと本当に手遅れになってしまうと思うのです。


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【執行役員が伝えたいこと】_老田常務

          ――― 基本の徹底 ―――
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先週14日、気象庁より東京の桜(靖国神社の標本木であるソメイヨシ
ノ)の開花が発表されました。昨年より7日早く、1953年の観測開
始以来では、2002年、2013年の3月16日を2日更新し、史上
最早となったとのことです。

以前にメルマガで紹介しましたが、桜の開花が早いと景気が良くなる傾
向があるとのことで、実際に検証を行っているエコノミストもいます。

東京の桜の開花日が平年(3月26日頃)より早い3月21日以前と早
い年は過去13回あり、景気が後退局面になったことがないということ
です。

暖かい春が早く訪れると、春物の衣料が早めに売れ、お花見で外出する
人も増え、人々の気分も高揚し、外食や買い物などの消費意欲が高まる
傾向があったからと考えられます。

しかしながら、この桜の開花に関する過去からのデータが今年も通用す
るかどうかは非常に厳しい状況です。新型コロナウイルスの感染者数は
欧米をはじめ世界的に拡大し、16万人台に突入(WHO〈世界保健機
関〉3月16日付公表ベース)し、日に日に感染者の増加率が増え、W
HOからはパンデミック(世界的な大流行)が表明されました。

感染の拡大を防ぐため、大規模イベントの自粛や学校の臨時休校などで
人々が外出を控えるようになっており、昨年の消費増税後低迷していた
消費マインドをさらに低下させると見られ、観光客の大幅減に伴うイン
バウンド減少による企業業績の悪化、製造面でもサプライヤーからの部
品調達の遅延による納期の遅れ、需要予測の見直しに伴う生産調整など、
生産体制に大きな影響が及んでいます。

こうしたコロナウイルスの実体経済への悪影響を不安視し、金融市場で
は投資家が保有資産を現金化する動きが強まり、日経平均は1週間(3
月9~13日)で3300円強下落し、1週間の下落率は約▲16%と
1週間の下落率としてはリーマン・ショック直後の2008年10月6
~10日の約▲24%以来の大きさを記録するなど、世界的に株価が急
落し、世界の株式時価総額も先週は1週間で約10兆ドル(約1060
兆円)減少しました。

それに対し、米国は緊急利下げや、最大500億ドル(約5兆3000
億円)の財政出動を可能とする国家非常事態を宣言しました。今後、日
本他各国も連携し、何らかの機動的な経済活性化策が打ち出される可能
性がありますが、コロナウイルス自体が終息する時期が読めず、先行き
不透明な状況は当面続くと見られます。

このような状況ですから、当初の目標設定時とは前提条件が変わってき
ていますし、今後も状況は刻々と変わる可能性があります。こういった
時こそ、ビジネスパートナーとの連携を密にし、正確な情報収集を行い、
需要動向や業況見通し等の変化をタイムリーに把握し、マネジメントに
報告するように努めてください。

物事がすべて計画通りに運ぶわけではありません。現状を正確に把握し、
状況に合わせ計画を軌道修正していくことも重要です。

また、コンプライアンス遵守を徹底すること。在庫管理、与信管理等、
何らかのリスクを見つけたら、すぐに報告すること。リスクに対する迅
速な報連相対応が求められます。

無論、基本動作の徹底は業務だけではありません。人込みの多い場所を
避けること、外出先からの帰宅時の手洗い、うがいを徹底すること、発
熱等風邪の症状が見られる時、会社を休むことなどの感染防止対応も忘
れずに励行してください。


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【ワーレックスの現場から】_三谷社長

         ――― 最後のメルマガ ―――
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このメルマガが始まったのは小泉純一郎元総理大臣の時で、代表の音頭
取りで始まったと記憶しております。かれこれ20年近く続いている由
緒あるものです。

拠点長はそれぞれの現場からの発信というテーマで、業界動向や現場で
起きている問題点などを各自が感性豊かに取り上げてまいりました。私
もサービスセンター時代、出向先、ロジスティクスなど業種や規範など
異なる所から感じることを発信させてもらいました。

それには若い時からいろいろと組織について代表から学ばせていただい
たことが根底にあります。最初は五十鈴ニュースから生まれ変わった社
内報[in]の創刊時で、自己主張する[in]、出る杭は伸ばせ、と
若者の台頭を促されました。

つぎは人事考課で能力実績主義の浸透で年功序列の廃止を行い、当時で
は世の中に先駆けてレベルの高いものでした。

分社化で企業家精神を植え付けられ、役に立つ人財になれとも教えられ
ました。ウォルト・ディズニーの「夢に見たことは実現できる」は苦し
い時の心の支えになりました。

当時は研修が真っ盛りで、アメリカの組織開発の理論を徹底的に叩き込
まれ、ビジョナリー・カンパニーがスタートしました。ナドラーモデル、
人事管理システム、小集団活動(IOC)は今でも経営の三種の神器だ
と思っています。

また「能力に差はない、違いがあるだけだ」と教えられ、集まってきた
社員の個性、潜在能力を見極め、専門分野で実力を120%発揮しても
らい、社員のおかげで会社を思った以上に大きくすることができました。

先入観は罪、固定観念は悪、多様性が必要で、人間は何を残すかで評価
が決まる。

財を残すは下
仕事を残すは中
人を残すは上なり

と野村監督語録の中で言われていますが、一流選手になる人は能書きの
旨さではなく、人の話を素直に聞く謙虚さが一番だとも言っています。

最後は人を魅了する会長の語録で締めたいと思います。「人はどんな奴
についてくるか」これで決まりでしょう。人財を大事にする五十鈴の拡
大発展と社員の皆さまの活躍、ご健勝を心より祈念致します。

私のメルマガはこれで最後となりました。長い間ご愛読いただき、有難
う御座いました。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.848〕は、2020年3月26日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

感染症の影響で、企業活動にも多くの弊害が出てきている昨今であり、
これまで当たり前だと思ってやってきたことも、なかなかスムーズには
いかなくなっています。それでもこんな時期だからこそ、お客さまにさ
まざまな提案をしていく努力も必要なのではないかと思うところです。
何をするにも制限されている状況下で、みなが苦労しているわけですか
ら、ビジネスパートナーとも連携し、できるかぎりのことを尽くしてい
きたいものです。
                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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