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五十鈴メールマガジン〔No.863〕自然災害大国
配信日時:2020/07/16 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.07.16発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.863≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆

            先々週からの豪雨が

          今もまだ続いている状況です。

              ただでさえ、

          コロナ対策も必要な状況ですが、

         一日も早く被災地が復旧することを

             願うところです。

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☆No.863 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_自然災害大国
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_変化の先取り(鈴木副社長)
┃
┃【五十鈴建設の現場から】
┃ ■_魁の年(神生社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

         ――― 自然災害大国 ―――
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆

鈴木貴士です。

またしても、自然災害がコロナ禍の日本を襲いました。そして多くの人
々が被災し命を落としました。「令和2年7月豪雨」は全国にさまざま
な被害をもたらしていますが、特に熊本県の死者、行方不明者が多いと
報道されています。

熊本で被害が拡大したのは、球磨川で多数の氾濫と2ヵ所の決壊があっ
たからです。「日本三大急流」の一つでもあるこの河川は豪雨時で氾濫
が生じる「暴れ川」となるのはわかっていることで、「川辺川ダムの建
設」がほぼ唯一の現実的な対策でした。

何十年もかけて結論付けたこのことをあきらめずにやっておれば、20
17年には完成する予定が、2008年に中止され球磨川流域は事実上
放置されることとなったのです。住民の反対運動などもあったのでしょ
うが、現在の知事がダムによらない治水を目指したのですが、お金も時
間もとんでもない非現実的なことになってしまったのです。

日本はいつのまにか「ダムはムダ」という「脱ダム」宣言が蔓延し、民
主党政権で「コンクリートから人へ」などというイメージがはびこり、
公共投資は減らされ、長期的な国土強靭化計画ができなくなりました
(自民党政権でも同じですが)。

この期に及んでもダムや堤防に頼る治水はもはや限界だという意見が多
く、新たな防災、減災の手法をとマスコミは論じています。脱ダム派、
反ダム派は川辺川ダムの建設中止をどう思っているのでしょうか。

はっきり言って、完成していれば今回の球磨川大氾濫は防げたのです。
それを検証もせずに自分たちの意見を正当化するような報道がされてい
ます。要するに今まで多くのダムを作ったにもかかわらず、治水に失敗
しているから、ダムはムダだ、という短絡的な印象の方が強いというこ
とです。

しかし今回予定されていたダムを建設しなかった結果、多くの国民が死
に、財産や人生を奪われた現実を「ダムによる治水は限界だ」という思
い込みで、これからは新たな防災、減災の手法を総合的に考えるなどと、
ハードではなくソフトで自然災害から逃れろということは、災害時に自
己責任で自分を守れということを言っているのです。

自助、互助、公助とはよく言う言葉ですが、最後に公助がなければ国や
地方自治体の責任は果たせません。何より緊縮予算を30年近く続けて
いるので、そこに「ダムはムダ」とか、やっても自然災害の方が酷くな
っているとか適当なイメージで対応し、こんなことになってしまったの
です。

それは日本人の死生観と他国の死生観の違いにあると国土学者の先生が
興味深い話をしてくれました。日本人の死は圧倒的に自然災害死が多く、
ユーラシア人の死は紛争死(虐殺・殺戮)が多い。日本人の死は、この
死が二度と起こらないように対策を考えようとしても、受け入れるしか
ない。

一方ユーラシアの死は合理的に考えて対策をすれば防ぐことができる、
敵を恨み抜き、復讐の誓いを立てる。都市城壁を作り対応するといった
違いがあります。要するに紛争や侵略を振り返り対応する癖がついてい
るのですね。

日本は自然災害ですからすべて失ってしまう。歴史が一度流れてしまう、
方丈記にもそういうことが書かれていますね。「無常観」ということ。
「水に流す」と言う日本人の精神構造の基礎ですね。

一方、ユーラシア人は積み重ねる歴史ですから、学習効果が違います。
城壁を築き敵から自分たちを守るという発想も日本人には必要だと思い
ました。


□■□■============================

【執行役員が伝えたいこと】_鈴木副社長

         ――― 変化の先取り ―――
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社会変化が起きている認識は、今や誰もが持ち合わせているものになっ
てきています。コロナがキッカケで社会変化が促進され、その対応・適
応がクローズアップされています。

新生活様式、新常態、新常識、一連の言葉は、その象徴的なものですが、
たぶん、「変化」の実態はもっと奥深いものだろうと推察します。単に、
スタイルやパターンの変化だけでないことは確かです。

デジタル社会へのスピードも予想以上に早まり、デジタル化力を持ち合
わせた人・組織が生き残る時代となり、変われない人・組織は淘汰を免
れないことになるでしょう。

個人的にはデジタル不適合人なのですが、会社や社員のみんなは、デジ
タル社会で生きていけるようにしなければなりません。

その準備はしていたのですが、コロナでそれを早めないといけなくなり
ました。目先のスタイル変化にとらわれずに、存在価値のある、社会価
値の創造につなげられるような目標をたてながら、変化の実態に則した
活動に取り組んでいきます。

しかし、デジタルに気を取られすぎず、アナログ的社会(主に人間関係)
にも十分に気を配りながら、アナログの進化ということも考えていく必
要があります。

私見ですが、デジタルは文明、アナログは文化と考えています。物質的
なもの、生活を豊かにするものは文明。精神的なもの、心を豊かにする
ものは文化。文明の発達と文化の進化を、社会変化の先取りをしながら
両立できれば良いと思います。

成長のために変化するというセオリーだけでなく、バランスを保つため
ためにも変化は必要です。会社、組織は環境と闘いながら、時にはつま
ずき、時には迷いながら走り続けるものです。

ある人が言っていました。「適者生存は、常態の現象ではない。常態で
は適者が生き残るのではなく、異常が排除され全体の安定を図る。進化
に取り残された個体は、次々に異常とされ排除されていく。全体はさら
に高度な進化を目指す。」とても恐ろしい「適者生存」の話(考え方)
です。それでも、適者になる努力はしていく必要があります。

「未来」というものは、明るいものであってほしいし、そうなるように
していきたいです。当事者意識をもって、自己責任の考え方で、未来に
生存している会社をイメージして、正しく変化していきましょう。


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【五十鈴建設の現場から】_神生社長

          ――― 魁の年 ―――
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建設の神生です。

全世界がこれまでの景気後退と異なり、消費が瞬間的に蒸発したと表現
されるこの新型コロナウイルスによる経済危機です。

人々の関心は、自粛期間の事業継続と、その後長く続くと予想されるw
ithコロナ時代をどう生き抜くかに集中していますが、合わせてこの
世界的な事業の停止もしくは自粛により、2020年の世界のCO2排
出量は8%減少する見通しです。

この減少量は過去最大であり、リーマン・ショック時の6倍にあたると
言います。その事業自粛や中止時期は、空気が澄み、透明感のある世界
にもなりました。

しかし現状は地球温暖化による異常気象のためか、豪雨で各地に災害が
発生しています。「パリ協定」が掲げる努力目標「産業革命前からの気
温上昇を1.5度以内に抑える」を達成するためには、世界で毎年8%
近くの温室効果ガスの排出量削減を続ける必要があるそうです。

経済が停止したことで各国の排出量は激減しています。しかし我々の社
会はこの仮死状態から必ず立ち上がらなければなりません。その際に気
候変動問題は社会にとってどのように捉えられるのか。どのような社会
になっているかを描くことは誰にもできませんが、その景色が今までと
は全く違うものになっていることだけは確かです。

新型コロナは私たちの社会を大きく揺るがし、世界中で多くの犠牲者が
出てしまいました。しかしそれと同時に、私たちが既存の生き方を変え
るチャンスでもあると考える人たちが増えているそうです。

今こそ、自分や社会、地球にとって何が最善なのか、私たちはどう生き
るべきなのかを考えてみる時に来ているのかもしれません。

人類の歴史のなかで感染症の流行は何度も起こり、その都度私たちの社
会に変革を及ぼしてきました。今回の新型コロナのように世界的に流行
するほどではないにせよ、ここ最近HIVエイズ、エボラ、SARSな
どさまざまな感染症が流行ってきています。

東ローマ帝国を中心に流行したペストは当時の人口の半分近くが死亡し
て、ローマ帝国の崩壊を早めました。古代ローマでは、ペストのような
感染症の拡大を防ぐために、適切な汚物の排出が都市の公衆衛生の常識
として理解されるようになり、イタリアやギリシャなどに残る古代ロー
マ遺跡を訪ねると、今でも初期の下水道設備を見ることができます。

こうした変化を考えてみると、疫病や温暖化対策で教訓を学んだ私たち
は、大規模被害が起きないようにさまざまな工夫を行ってきました。

経済復興の時期には以前にも増して環境問題が悪化すると言われますが、
それはこれまで各国の政策や市民のコンセンサスがなかっただけで、今
は欧州各国をはじめ、世界中でグリーンリカバリーへの機運が高まって
います。

日本でも石炭火力発電をめぐって政府は、二酸化炭素の排出が多い古い
方式の発電所を段階的に削減し、2030年度までに発電量を9割程度、
100基分を削減する方向で具体的な検討を始めます。

さらに追い風となるのは近年の技術革新により、再生可能な自然エネル
ギーのコストが減少していることやAI・VR技術などで物理的な移動
が不要になり始めました。また、一番の推進効果は私たちが社会変化を
実感する機会が増えていることです。

先日の2020年度五十鈴社員総会のテーマは「魁」でしたが、この社
会全体が大きく変わろうとしている今、組織としての進化・成長を発揮
する時だと思います。

建設も「Willの実現・・・魁」の年とするため、全員参画で活動し
ますので、よろしくお願いいたします。


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 ◇◇◇NEW!今週の五十鈴グループホームページ更新情報◇◇◇ 
――――――――――――――――――――――――――――――――
今週、新たに五十鈴グループホームページに掲載しましたニュース記事
は以下の内容です。ぜひご確認ください。 

◆ニュースリリース 

2020.7.14 「2020年度 五十鈴社員総会ダイジェスト」公開

       http://www.isz.co.jp/company/ideamanagement01.html

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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.864〕は、2020年7月23日に配信い
 たします。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

豪雨災害のニュースを観ていていつも感心してしまうのは、ボランティ
アによる被災地での支援活動です。被災現場という危険も伴う所に自ら
進んで臨んでいく姿勢には頭が下がります。
また多くの避難所ではこの夏は特に新型コロナウイルス感染症への対策
をとりながら、これからの本格的な暑さ対策などが必要になってきます。
被災地に一日も早く復旧の日が訪れることを願ってやみません。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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