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五十鈴メールマガジン〔No.868〕空気の支配
配信日時:2020/08/27 11:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.08.27発行

                 五十鈴メールマガジン ≡No.868≡

==ISZ Mail Magazine =====================

 ◆                            ◆
◆◇◆     ┃今┃号┃の┃メ┃ル┃マ┃ガ┃は┃    ◆◇◆
 ◆                            ◆

            新型コロナの影響で

         それまで当たり前にあったものが

         一瞬にして希薄化あるいは無になり、

          大変な状況に置かれています。

         そんななかでも、必死に知恵を絞り

       回復しようとさまざまな手を打つ姿勢には

             胸を打たれますね。

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☆No.868 CONTENTS━━━━━━━━━━━━━━ ISZ Mail Magazine
┃
┃【代表メッセージ】
┃ ■_空気の支配
┃
┃【執行役員が伝えたいこと】
┃ ■_VCビジネスを開花させよう(瀬戸執行役員)
┃
┃【ベル・インフォ・テックの現場から】
┃ ■_前例のない暑い夏とWithコロナ(山室社長)
┃
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◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【代表メッセージ】

          ――― 空気の支配 ―――
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鈴木貴士です。

昔、山本七平さんが「空気」を主題として書かれた『「空気」の研究』
という本は、日本人論の傑作として知られています。

山本先生は、戦前を振り返って、「もし将来日本を破壊するものがある
としたら、それは、三十年前の破滅同様に、おそらく『空気』なのであ
る」と述べられています。

そして、今回のコロナ渦でそれが立証されたような気がします。それは、
戦前・戦後を通じた、近代日本のある種の「病理」というか、体質その
ものだと思うのです。

大東亜戦争も全面戦争、消耗戦には絶対持ち込まず、奇襲攻撃で先手を
取り、条件が整ったところで平和交渉するというのが、戦争に最後まで
反対した山本五十六たちの意見でしたが、緒戦で勝ち続けると神国日本
は絶対に負けない、全面勝利するという空気ができ、今度は局地戦で敗
退しても、「大本営発表」で情報を操作し、勝利し続けている空気を壊
さぬように、勇ましい言葉と国民へのプロパガンダで現実を直視できな
くなり、どんどんと深みにはまり、東京空襲や原爆まで落とされ、それ
でも本土決戦を試み、戦艦大和まで特攻攻撃するなど、最後の一年はそ
の空気の支配から逃れられずに、絶望的な被害をもたらすことになった
のです。

山本先生によれば、日本人は「超越神」の伝統をもたなくても生きてい
けるほどに非常に恵まれた民族だが、それゆえに社会が危機に見舞われ
ると、その社会秩序維持のために、独特な形で「超越性」を作り出す必
要に迫られ、それがある対象に過剰に感情移入することで作り出される
「空気」(ムード)ということになるとのことです。

そして、一度「空気」が醸成されてしまえば最後、そこではどんな科学
的データも論理も無力となってしまうのです。「空気」に反対する事実
を示しても、その行為自体がそれに反する不道徳な抗弁と見放されてし
まいます。

今回のコロナ禍でも、一律の「接触8割削減」以外にも、その毒性に見
合った適切なリスク管理もあるのではないかとか、緊急事態宣言からの
出口戦略について考えようと言っただけで叩かれるといった現象が多く、
まさに手段であるはずの「自粛」が自己目的化されて作られた呪縛的な
「空気」、つまり山本先生が言った、「ファシズムよりも厳しい、『全
体空気拘束主義』」となってしまった感があります。

そして恐ろしいのは、この「空気」と民衆主義が結合し、多数決という
原理に基づいてしまうことです。それが今回の都知事選でも、コロナ対
応でテレビに露出し続ければ小池知事の好感度は上がり、圧倒的得票率
で他候補との議論もなく当選してしまいました。

山本先生は「一神教と多神教」の比較をこの本でされていますが、一神
教の社会では、超越神がいて、それ以外の者は必然的に相対化されてい
るので、空気みたいなものには支配されず、反対に多神教の社会では絶
対神がいないので、その時々の相対的なものが絶対的命題に祭り上げら
れてしまうのだと言うのです。

戦前であれば「お国のため」、戦後であれば「絶対的平和主義」という
ような価値観。そして、今はマスコミやSNSで「バズったもの」が仮
の神になりつつあります。

それが、毎日の感染者数やクラスターの発生する場所を嫌悪することに
なり、それが同調圧力となり、自粛警察や過剰な検査信仰となって、か
つての日常にはすべて戻らないということになりつつあります。

正しく恐れて対応し、新常態を作りましょう。


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【執行役員が伝えたいこと】_瀬戸執行役員

      ――― VCビジネスを開花させよう ―――
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全国的に猛暑日が続いており、熱中症で病院に搬送されるニュースも多
いです。残暑も含めてあと1ヵ月、この暑さに負けないでなんとか乗り
切りたいと思います。

熱中症以外にも最近は、突然の激しい落雷や雷雨による被害も増えてき
ています。この時期の栃木と群馬は「雷銀座」と呼ばれるほど、夕方に
なると激しい雷雨に見舞われます。

雷には強い上昇気流が必要ですが、この地域には上毛三山(じょうもう
さんざん)と呼ばれる赤城山・榛名山・妙義山や谷川連峰をはじめとす
る山地が連なっており、そこに夏場の太平洋側から吹き込む風が山岳地
帯で上昇気流を起こすことで雷雲が発生しやすくなります。

この雷雲が南東方向に移動するため、高崎SC⇒太田SC⇒小山SCの
順番で雷が移動していくのが毎年のお決まりですが、今年はいつもと違
い雷雲の発生場所や移動ルートが変化しています。

それでもいつものことですが、雷が鳴り始めると、あっという間に激し
い雷雨がはじまります。それぞれの現場感で養生の準備や工場の稼働、
帰宅時間の調整など、状況にあった対応をしているわけですが、今年は
激しさがいつもに増して異常なのと、短時間で様子が激変しているので、
素早く判断し対応を取らないと本当に危険なことになります。

これまで同様と油断せず、用心深く無理のない行動を取るようにしてく
ださい。特にお客さまへの納品や営業活動の帰り、仕事帰りの移動途中
においては減速や場合によっては一時避難など、無理のない運転行動で
危険回避を必ず実行するようにお願いします。

最近では、天候を予測して屋外で働く人の安全管理をするために大雨・
強風・雷などの気象警報がアラーム送信されるIoTサービスなどもあ
るので、活用するのも手かもしれません。

さて、来週から9月に入り、一気にIOCモードに入ってきます。Wi
ll-Naviゴールに向けて五十鈴関東では「新業態」を目指してV
Cビジネスの進化に取り組み、それに合わせてSCの事業構造改革に取
り組んでいます。

VCビジネスでは、バリエーション豊かなビジネスの蕾は沢山出てきて
います。期待は大きく持てますが、花を咲かせるためにどう育てていく
か、ここからが真の活動になってきます。

VCビジネスを開花させるには多様なスキームが必要になってきます。
ビジネスに合わせて、このVCスキームをいち早く構築できると我々の
パフォーマンスもお客さまやビジネスパートナーさんに認知され、新た
な信用・信頼にもつながり、次のビジネスチャンスへの広がりも見えて
くるはずです。

我々のビジネス環境における新常態を再認識したうえで、既存事業の構
造改革とVCビジネスの開花を加速させていきますので、暑さやコロナ
禍での環境にめげずに目標に向かって邁進していきましょう。


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【ベル・インフォ・テックの現場から】_山室社長

    ――― 前例のない暑い夏とWithコロナ ―――
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暑い夏の中、この前例のない3密を避けながら、マスクをし、汗をかき
ながらの新型コロナウイルス禍の中、非常事態宣言からあっという間の
4ヵ月以上が経ちましたが、今また、感染者が増え、完全終息はいまだ
に不透明で見えていません。

この間、公私ともに大変大きな変化を体験しております、丸の内本社の
SL各社では、在宅勤務が定着し、リモートワークが常態化し、SS部
門でもリモートワークが検討されており、五十鈴グループとしての新た
なコミュニケーションの取り方やデータの活用方法・マネジメント方法
等が検討され、働き方改革が加速的に進んでいます。

それに伴い、BITへのICT技術(Teams、BOX、RPA等)
を活用してのテレワーク対応や各種依頼(事務作業の自動化・リモート
化・ペーパーレス化等)が増えてきております。

また、私的には、好きな四季の寺・神社めぐりや球場でのプロ野球観戦
などの私的イベントの自粛自粛で行動の制限があり、大きく生活の行動
パターンが変わっております。

話は変わりますが、先日、我が家では、GoToキャンペーンとはいき
ませんが、妻の還暦祝いで家族が集まり、箱根の旅館に泊まる機会があ
りました。

そこで感じたことは、新型コロナ感染防止のために、働いている人たち
の心配りやサービス、そして施設利用方法の変化がすごく感じられまし
た。

「ここまで徹底してやるの」と言うように、旅館での入館時の検温、手
のアルコール消毒から始まり、エレベータの乗降時や自販機での購入時
のティッシュを使ったボタン押し、入室時のアルコール消毒、従業員の
フェイスシールドとマスクの二重武装、土産物店での使い捨て手袋装着、
入浴時の人数制限(部屋のTVチャンネルで入浴人数確認)、食事での
3密防止等々、涙ぐましい感染予防対応がされており、そこに普段と変
わらないサービスも加わっており、記念集合写真サービス等の良い思い
出も経験することができました。

加えて、映画館でも、同様に入館時の検温、手のアルコール消毒の徹底
が図られ、座席も互い違いに一席空けて鑑賞するというようなWith
コロナの対策がしてありました。

一方では、一部の夜の街や昼カラ等のクラスター発生、心無いコロナ感
染のユーチューバーの行動等々、心無い行動に対して、病院や各介護施
設、そして観光業の方たちの防疫に対する涙ぐましい努力と比べるとこ
の大きな差が、現在の第2波のような状況を反映しているのは、本当に
嘆かわしい限りです。


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【次号のお知らせ】
 次号の五十鈴メルマガ〔No.869〕は、2020年9月3日に配信いた
 します。
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☆★━編集後記━☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆

自粛ムードによってあらゆるビジネスの4月から6月のクオーターの売
上がリーマン・ショック時を上回る落ち込みにつながり、この状況を新
型コロナ以前に戻すのに4年はかかるなどとも言われています。
しかし、このようなムードのなかでもさまざまな対策を取り、徐々に売
上を取り戻す努力をされているビジネスも多いと聞きます。
そこには、もちろんお客側の協力も必要になってくるわけで、不自由な
状況でもその店で購入しようという心理にさせる店側の志や姿勢・行動
に共鳴しているからではないでしょうか。
ムードに支配されがちな世の中ですが、そのムードに合法的にも、社会
的にも、もちろん衛生的にもきちんと検討を加えたうえで、抗っていこ
うとする生き方には心が揺さぶられるものです。

                     (編集室/本間 靖啓)
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 発行人:五十鈴株式会社 鈴木貴士
     (〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル10階)
 編 集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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